【読書レビュー】「絶望名人カフカの人生論」ネガティブすぎて逆に元気になる本

読書:小説&エッセイ

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「変身」などで知られるカフカ。

しかし注目され世界的なブームとなり20世期の文学を代表する作家と見なされたのは、死後のこと。

カフカ本人は、とてもネガティブな人だったんだそう。
本書ではそんなカフカの日記や手紙の言葉を集めている。

あまりにもネガティブで悲惨な言葉ばかりだが逆に思わずくすっと笑ってしまい、なぜだか元気をもらえる本。

本書の構成

本書の目次はこちら。

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はじめに カフカの肖像

第一章 将来に絶望した!

第二章 世の中に絶望した!

第三章 自分の体に絶望した!

第四章 自分の心の弱さに絶望した!

第五章 に絶望した!

第六章 学校に絶望した!

第七章 仕事に絶望した!

第八章 に絶望した!

第九章 結婚に絶望した!

第十章 子供を作ることに絶望した!

第十一章 人づきあいに絶望した!

第十二章 真実に絶望した!

第十三章 食べることに絶望した!

第十四章 不眠に絶望した!

第十五章 病気に絶望……していない!

あとがき 誰よりも弱い人

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・・・絶望しまくり。
彼の日記やノートには、自虐や愚痴満載です。

【要約】印象的な言葉たち

印象的だった言葉をいくつか抜粋。

▶︎将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。(第一章:人生…より)

*こちらはなんと、フェリーツェという女性へのラブレターの一説。
その想像しただけで、なんだか笑えてしまう。

▶︎ひとりでいれば何事も起こらない。(第一章:人生…より)

*たしかに、たしかにそうだよね、、と思わずうなづいてしまう。

▶︎ぼくは…ただ人間的な弱みしか持っていない。(第四章:心の弱さ…より)

*自分の弱さをさらけ出して、むしろとても人間的だとも感じる。

▶︎ぼくはあきらかに精神的結婚不能者なのです。(第九章:結婚…より)

*前出のフェリーツェとは二度の婚約と婚約破棄、別の女性とも婚約するものの、カフカは生涯を通じて独身だった。

▶︎結核はひとつの武器です(第15章:病気…より)

*カフカは34歳で結核に。もちろん病気になり絶望になったと思いきや、なっていない…! むしろ「ひとつの武器」という発言。

▶︎骨折は…生涯でもっとも美しい体験だった(第15章:病気…より)

*骨折=美しい体験 これは初めて聞いた組み合わせである。
骨折から美しさを連想できるカフカは、とても想像力豊かでユニークだと思う。


まとめ

失恋したときに失恋ソングを聴くように

生きるのが辛い時、気持ちが落ち込んで仕方のない時にほしいのはやたらポジティブな言葉や元気な励ましではなくて

カフカの手紙や日記にあるような、そっと寄り添ってくれる言葉なのかも知れない。

ちょっと落ち込んでしまったり、なんだか悲しいことがあったり、そんな時に読んでもらいたい一冊。

2023/1/21
#読書 #読書レビュー #書評 #感想 #読書感想文 

書籍情報

フランツ・カフカ
1883年、プラハでユダヤ人商家に生まれる。
「変身」「審判」「城」などの作品を残している。
結核により1924年、40歳で死去。

編訳:頭木弘樹
中学生で「変身」と出会う。20歳で難病にかかり以後13年間、入院するか、自宅に引きこもる日々が続く。
そんな生活の中で、ネガティブなカフカの日記や手紙が支えとなり絶望の名言集も必要であると考え、編訳に到る。

発行:新潮社
発行日:平成26年11月1日

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