【読書レビュー】「ADHDの旦那って意外と面白いんよ」人気Youtuber ナカモトフウフの発達障害と向き合った過去を知る

読書:小説&エッセイ

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最近推しのYoutuber、ナカモトフウフ。

ちゃんまりさん(妻)とダイスケさん(夫) の夫婦が発信する沖縄生活(などなど)がとてもおしゃれで、しかも二人ともとてもハイセンス。

それだけでなく、真面目な動画もあったり、めちゃめちゃ面白いショート動画もあったりと、視聴者を飽きさせません。

そしてお互いに尊敬し合っている姿は理想の夫婦像です。


しかし実は、夫のダイスケさんは発達障害であるADHD。
社会生活で上手くいかなかったこともたくさんあり、2回もホームレス生活を経験しています。

本書は交際から合わせて7年の間に起きたことなどを、ADHDのダイスケさんと、パートナーである ちゃんまり さんのそれぞれの目線で語られています。

ここでは本書を読んで、私が特に印象的だった言葉などを、抜粋、紹介します。

本書の目次

Chapter 1 ダイスケさんのADHD
Chapter 2 ダウスケさんからの告白
Chapter 3 ナカモトフウフ、ADHDと向き合う
Chapter 4 ADHDの旦那って意外と面白いんよ
Chapter 5 ADHDとの付き合い方

要約

印象的な言葉を抜粋、紹介していきます。
(・や▶︎・:引用、 *:ブログ管理人の感想です)

Chapter 1 ダイスケさんのADHD

そもそもADHDって??

▶︎ADHDとは
注意欠如・多動性障害
「不注意」と「多動・衝動性」を主な特性とする発達障害の概念の一つ。


ダイスケさんのADHD

  1. 自分が興味あることへのこだわりが強すぎる
  2. 圧倒的な物失くし
  3. 何かに集中しているときは、何も耳に届かない
  4. 騒動的に欲求を満たす
  5. 自分の物差しで考えを押し付ける


生活の中で、ダイスケさんは色々とやりっぱなし。
ティッシュや脱いだ服が家のそこらじゅう落ちていたり、時にはトイレ(大)を流し忘れることもあるそうです。(泣)

それはつらい…


Youtube上では二人のキラキラした面しか見えていませんでした。
しかし ちゃんまりさんも一緒に暮らし始めてから、たくさん悩んだそうです。

***

ダイスケさんは若い頃から若い頃から、やり忘れや中途半端になったりと仕事でヒューマンエラーが多く、一般的な仕事は続かなかったそうです。

「でも、そこからADHDと向き合い、自分の特性として活かせる仕事を見つけたから、今の私たちがあるのだと思います」とちゃんまりさん。

さらに前向きになるには、以下の心掛けが大切だと話します。

ちゃんまり さん
ちゃんまり さん

ADHDの当事者は、
「自分を理解し、障害があってできないことを嘆くのではなく、障害があっても自分にできることに打ち込む

家族やパートナーは、

「ADHDを理解してどうサポートするか」



Chapter 2 ダウスケさんからの告白

ダイスケさんはちゃんまりさんに、交際初日に自分はADHDだとカミングアウトします。

ちゃんまりさんに出会うまでのダイスケさんの人生は、かなり壮絶です。

沖縄で生まれ、中高生の頃から、周りと違うことを自覚していったと言います。
当時の同級生からダイスケさんのイメージは
「変な人・問題児・暴力的・嫌われ者・嘘つき」だそう。

そして高校3年の夏に、単身で沖縄から北海道へ。
将来は寿司職人になろうと思っていたそうです。
そして実際に寿司職人になるも、続かずアルバイトをしたり、
次はバンド活動に目移りしたり。

すごい行動力です…。

突発的で衝動性のある思い切った行動は、ADHD患者の典型的な症状だそうです。

しかし貯金も尽きて、第一次ホームレス期に突入。
(第一次ということは、、第二次もあります。)

日雇いの仕事や、高所窓拭き作業員やテレアポ、そして新薬治験のアルバイトなど、たくさんの仕事を経験します。

20代前半で、社会生活ができない自分に疲れ果て病院で診断を受けます。
そこで初めて、自分がADHDだと診断されます。
診断された時は不安にはならず、むしろほっとしたそうです。

ダイスケさん
ダイスケさん

何かよくわからないけど俺は障害者だったんだ。

異常者じゃなくてホッとした。

「ADHDは自分が好きなことには熱中できるけど、苦手なことは全くできない」と知れたことが転機となり、当時一番好きだったカメラでプロを目指します。

とにかく好きなことを好きにやろう。
これからの人生は、”好きなこと”のみにフォーカスするようになった。


そして次の “計画的” 第二次ホームレス生活を経て、カメラマンとして食べていけるように。
そして愛知で、今の奥さんである ちゃんまり さんに出会います。

当時 ちゃんまり さんはメイクアップアーティストをされており、職場での出会いだったそうです。

そしてダイスケさんが27歳のときに、ちゃんまり さんを連れて沖縄に帰り、「サンセットスタジオを沖縄」を立ち上げます。


ここまででも、
すでに激動の人生ですね..


Chapter 3 ナカモトフウフ、ADHDと向き合う

「サンセットスタジオを沖縄」を立ち上げ、貧乏ながら充実感いっぱいのダイスケさん。
しかし一方で、結婚をして沖縄についていった ちゃんまり さんは、同じ気持ちではなかったそう。

一緒に暮らす時間が長くなるほど、ADHDの「注意欠陥」や「過集中」などが気になって、疲弊していったそうです。

ちゃんまり さんがADHDについて調べる中で知ったのは、「カサンドラ症候群」という言葉。

「カサンドラ症候群」
発達障害を持つ相手と情緒的なコミュニケーションが出来ないことで病んでしまうこと


ちゃんまりさん自身も、自身の苦しみの原因が「カサンドラ症候群」だったことを知ります。


そしてADHDについて色々と調べた ちゃんまり さんは、
「ああ、障害だからできなくても仕方なかったんだ。
ダイスケさんは悪くない。私も悪くない。悪いのは障害だーーー」

と、初めてこの「仕方ない」という言葉が腑に落ちたそうです。

今までADHDという障害を排除しようとしていたのが、ADHDと共存する覚悟ができた瞬間だった。と話します。

▶︎ADHDの特性を観察してわかったこと
ちゃんまりさんの例えがとても分かりやすいです。

“”ADHDは頭にいれておけるコマンド数が極端に少ないので、例えば「ティッシュをゴミ箱に捨てる」に枠を一つ取られると、別のことができなくなる。



引き出しに例えるとわかりやすい。
定型は引き出しが100個あるのに対して、ADHDは引き出しが10個しかない。
そしてこの10個は、定型の10倍の大きさがある。

できることは少ないけど、できることはすごくできる。

相手の苦手なことは自分に、自分の苦手なことは相手に任せて、お互いに得意なことに集中した方が伸びるはず。
特にADHDの人は、得意なことは何倍にも何十倍にも能力を発揮することができるのだから。””

***

ダイスケさん自身はADHDについて、こう話します。

自分まじADHD!

好きなことだけしていきたい!

って笑いながら言う人がいるけど、本当のADHDは笑いながらそんなことは決して言えない。


発達障害によるハンデを抱えた人間が唯一できることは、自分の人生を諦めずに自分比最大を目指すこと。

嘆いても状況は変わらないのだから、自分の好きなこと、好きな方向へ逃げて逃げて逃げまくって、そこを極めればいいんだと思う。
それを理解してくれる人が現れることだって、人生にはある。



Chapter 4 ADHDの旦那って意外と面白いんよ

ここではちゃんまりさん目線のエピソードが紹介されています。

▶︎Youtubeクリエイターに
Youtubeに投稿する動画に関しても、ADHDのこだわりが発揮され、全く妥協を許さない。
ナカモトフウフの動画のクオリティは、ダイスケさんのおかげで保たれている。

▶︎ダイスケさんの凝り性に付き合った結果・・・
ADHDというのは、一度これだと決めるととにかく最大値までやってしまう。

ダイエットを決心したダイスケさん。
決心してからのハマり具合はとんでもなかった。


*しかしダイスケさんと同じ食事を食べ、筋トレもした結果、ちゃんまり さんまで健康的な体になったと言います。

▶︎ADHD夫のおつかい
おつかいをお願いした場合、例えメモを渡しても、いくつかは忘れてくる。



しかしここでの ちゃんまり さんの言葉が印象的です。

ちゃんまり さん
ちゃんまり さん

完璧を期待するから失敗したときに腹が立つ。
失敗前提でいれば、ただの笑い話になる。

*うーん、この言葉は深い!
私も家族や仕事仲間に対して、そういう意識でいたいです。

Chapter 5 ADHDとの付き合い方

ダイスケさんの口癖
「発達障害でできないことはたくさんある。
だけど、工夫しながら自分に合った生き方を俺は見つける。
それは健常者も発達障害者も変わらないことだと思う。
全ては自分の捉え方次第。」

*この考え方はめちゃめちゃ素晴らしいなと思いました。

何でもいいから、興味のあることに一歩踏み出すことが、

どの治療よりも自分の心を救う


ちゃんまり さん
人間社会では当然のように求められるが、他人と一緒に生きるというのは、実はとんでもなく大変だ。
しかし一人だったとしてもやっぱり悩みは尽きないだろう。
一緒に悩んでくれるパートナーがいるというにはそれだけでものすごく幸せなのかもしれない。
この大切なパートナーと一緒にいるために、これからも毎日悩んでいこうと思う。


▶︎ADHDの人間には必要不可欠なこと
ダイスケさん
何よりもまず優先すべきは、趣味を見つけてそれに没頭すること。
そこから拓ける道もあるので、是非実践してみてほしい。

***

ADHDの自分が社会にどう適合するか。
そこにフォーカスする当事者は多いが、本当にフォーカスすべきは自分のいう人間を理解し、自分の居場所をみつける、もしくはつくること。
定型発達であろうが、発達障害であろうが、環境を変えるも変えぬも結局は自分次第。

まとめ&感想

もともと二人の存在を知ったのは、Youtubeで「ADHD」と検索して動画が出てきたことがきっかけです。

私も社会人になりたて時(かれこれ10年ほど前)に、自分がADHDだと思っていました。
配属された部署では、先輩から教えてもらったことも全く覚えられず、すぐに指示を忘れたり、作業がスケジュール通りに進まなかったり、、


自分の不甲斐なさに帰り道や家で毎日泣いており、(先輩が怖かったことも大きな理由の一つですが)

当時ネットで調べて、私の症状は、ひょっとしたらADHDなんじゃないかと思うように。

ADHD系の本を読んだりして、「自分は短期記憶が弱い。」という結論に。

それが転機にもなり、以後言われたことなどはひたすらメモするようになりました。
部署が変わったこともあり、なんだかんだ仕事にも慣れて、かれこれ10年近く同じ会社で働いています。

ダイスケさんのケースを知り、本物のADHDはもっとすごいことが分かりました。

それでも、私も「じっとしているのが苦手」、「ケアレスミスが多い」(注意欠陥)、などあるので、自分ではADHDのグレーゾーンに少しかかっているのは、と思っています。

ただ私の場合は、小学校から高校までピアノを習っていたり、ヨガや太極拳を習っているなどで、「多動」のところが少し抑制されたり、ちょっとは制御できるようになっているのでは、とも思います。


***


しかし、例え私が本当にADHDやそのグレーゾーンだったとしても、

本書でも書かれているように、それを言い訳にしたりしたくないです。
(ダイスケさんも言われているように、私もずっと、人生が生きづらいと思っていました。)

ADHDの特性をよく理解して、自分が生きやすくしたいと思っています。


***

ダイスケさん
「発達障害によるハンデを抱えた人間が唯一できることは、自分の人生を諦めずに自分比最大を目指すこと。
嘆いても状況は変わらないのだから、自分の好きなこと、好きな方向へ逃げて逃げて逃げまくって、そこを極めればいいんだと思う。
それを理解してくれる人が現れることだって、人生にはある。」

この言葉を読んで、少し泣きそうになりました。

***


Youtubeでは とっても人生謳歌しているように見える二人。
しかし本書を読んで、今までいろんなことを乗り越えてきたんだな、ということが分かりました。

そして今まで以上に、推せるYoutuberとなりました。
(今まではチャンネル登録せずにみていましたが、本書を読んでからさらに二人を応援したくなり、やっとチャンネル登録しました(笑))

気になる方は、ナカモトフウフのYoutubeや、本書も読んでみてください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

読書レビュー:2023/9/24

ナカモトフウフのYoutubeチャンネル

書籍紹介

タイトル:「ADHDの旦那って意外と面白いんよ
本気で発達障害に向き合った夫婦の物語」

著者: ナカモトフウフ
2019年7月から夫婦で動画クリエイターとしての活動を開始。
旅行・沖縄での日常・古民家暮らし・ファッション・車・バイクなど、興味あることを発信中。

価格:1,400円+税
ページ数:143ページ

発行:株式会社講談社
発行日:2022年3月16日

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プロフィール

関西在住の30代OL。
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国内外旅行
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