成瀬は信じた道をいく|続・元 滋賀県ミンの感想(ネタバレなし)

読書:小説&エッセイ

[PR] 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

宮島未奈さんの「成瀬は信じた道をいく」を読みました。

前作「成瀬は天下を取りにいく」に続く、安定の面白さです。

前作の感想はこちら↓



今回は、成瀬の 大学受験&大学生になってからのお話です。

重要なネタバレなしで、
各章で印象的だった点などを、紹介していきます。

要約&感想

1話:ときめきっ子タイム

小学4年生の北川みらいちゃん(後の成瀬の弟子(!))が健気でかわいいです。

みらい「成瀬さんは将来何になるんですか?」

成瀬「何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」

このままの仕事でいいんだろうかと考える私に、成瀬の言葉がじわっと響きます。

2話:成瀬慶彦よしひこの憂鬱ゆううつ

成瀬のお父さん目線のお話。

“慶彦”は、私の知り合いと名前(漢字も)が同じなので、親近感を覚えながら読み進めました。

成瀬の京大受験時の話です。
三千円で京大受験してくる!という企画を実施するYouTuber・城山しろやまが登場。
京大の中でテントを立てて一晩明かそうとしていたところを、成瀬に拾われて(?) 成瀬の家に泊まることに。

そしてこの章も、最終章で活きてきます。

***

受験2日目の朝。成瀬の父 慶彦と成瀬、そして城山 の3人で、家から受験会場へ、雪道を歩いて行きます。

成瀬「転ぶときには、利き手をかばったほうがいい。使えなくなったら問題が解けないからな」

城山「殺し屋みたいなこと言うね」

うまく表現できませんが、じわじわと私の笑いのツボに効いてきます。


3話:やめたいクレーマー

この章はツンデレの呉間 言実 くれま ことみが主人公。

クレーマーの一部の人は、こういう気持ちなんかなぁ、と思いながら読みました。
もうクレームしないと思いつつ、ついつい言ってしまう。
言った時は晴れ晴れした気持ちだが、帰宅した途端に後悔する。

***

そして最初は成瀬を警戒(?)していた言実も、成瀬ワールドに引き込まれていきます。

4話:コンビーフはうまい

成瀬と共に、びわ湖大津観光大使となる篠原かれんが主人公。

最初は成瀬を「変なヤツ」扱いしますが、少しずつその魅力に気づいていきます。

金沢でのイベント。新幹線で滋賀から移動します。家から(!)すでに観光大使の衣装を着てきた成瀬。
成瀬たちの代の衣装は、白地に黒い太い縦ラインが入ったデザイン。

観光協会の藤野さんや米田さんはちょっと引きぎみですが、篠原は成瀬に共感。
敦賀駅のトイレで急いで衣装に着替えます。

篠原「成瀬さんの言う通り、私も往路と復路でびわ湖大津観光をアピールしたほうがいいと思いました」
ぎょっとする職員の横で、成瀬は満足げに「それは素晴らしい心がけだ」とうなずく。


篠原も少しずつ成瀬ワールドへ。

成瀬の生態を理解できる子で良かった〜と、思わず胸を撫でおろりました。

そして私も学生時代を彦根で過ごしており、後輩が彦根観光大使になっていたのを思い出します。
「がんがん表に出れてすごいな〜」と思っていました。
(私は自分の容姿をそこまで世間に晒したくない派です。)

***

そして物語は、「観光大使-1グランプリ」二次予選の日に。

篠原はスマホを家に忘れた上に電車が遅延…。
しかし、成瀬に教えてもらった「コンビーフはうまい」のおかげで、予選出場がかないます。

コンビーフが何を表すのかは、ぜひ本書を読んでみてください。


ちなみに私も先日、スマホ依存から脱却したいと、半日スマホを家に置いて、出かけてみました。
すると、まったく問題ないことに気づいてしまい、またデジタルデトックスしたいと思っています。

同時に、震災などに備えて、大切な人の電話番号くらいは覚えておくか、スマホではなくメモ帳に記録しておいた方がいいなとも感じました。

5話:探さないでください

最終章。
これまでの登場人物が総集結します。

成瀬の父母、クレーマーの呉間言実、そしてその夫・祐生(温厚)との漫才のような夫婦関係も見逃せません。

最後、どんな展開に持ってくるのか…と気になりながらページをめくりますが、納得の展開。
成瀬に新たな歴史が刻まれます。

成瀬と島崎が閉店前の西武大津店に通っていた夏(西武ライオンズのユニフォームを着て)は、もう5年も前のことだとか。

青春の日々の早さと懐かしさに、ほっこりと、そして甘酸っぱさを覚えます。

そして、ドラマでよく見るような
「探さないでください あかり」
の書き置きを見るたびに笑いそうになる島崎。

成瀬父「今からあかりを探しにいく」
島崎「えぇっ」
成瀬母「そうね。家にいても落ち着かないだろうし、行ってきたら?」
お母さんはいたって冷静。娘の言うこともこの調子で受け入れてきたのだろう。
あしらい方に熟練を感じる。

ここもぷぷっと笑ってしまいました。

まとめ

続編も、電車内でニヤニヤ・くすくすしながら読んでしまったので、車内で読むのは危険かもしれないです。

読了後は、爽やかな気持ちで、元気をもらえる一冊。

ぜひ成瀬ワールド・大学生版 も、味わってみてください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


そして…

「成瀬シリーズ」
気になるけど忙しくて読む時間がない…

そんな方には amazonのAudibleもオススメです。

\30日間の無料体験あり/

無料でAudibleを体験する

※いつでも途中解約

私もAudibleのアプリをスマホに入れて聴いています。

聴きたい時にサクッと聴けて、速度変更なども出来るので
気軽に聴く読書の習慣ができています。

「成瀬シリーズ」も聴けるので、良ければ試してみてください。



書籍紹介

タイトル:成瀬は信じた道をいく
著者: 宮島未奈(みやじま・みな

価格(税込):1,760円
ページ数:208ページ
発行:株式会社新潮社
発行日:2024年1月25日


前作はこちら↓

スポンサーリンク
スポンサーリンク
プロフィール

関西在住の30代OL。
好奇心の赴くままに暮らしています。
でも刺激に弱く人混みは苦手。
時間確保のため、ミニマリストへ移行中。

▶︎ブログ:本/旅/気になったお店 を紹介。
電車・バス・原付を駆使して旅しています

▶︎趣味:読書/散歩/太極拳/断捨離
国内外旅行(22カ国&44都道府県 旅制覇)
▶︎語学:英語&中国語を勉強中。
日本語教師のボランティアも。
▶︎X(旧Twitter):捨て活や、日々の出来事を気ままに投稿

SNS
読書:小説&エッセイ
かわべりーcafe