とある真夏の夜、私は京都のとうふ料理屋で、夕食を食べていました。
インドの南部、バンガロールからはるばる日本へやってきたインド人一家4人と一緒に…。
なれない英語での会話に加えて、英語での和食の説明に四苦八苦。
他に誰も助けてくれる人はいない、ドキドキの2時間45分でした。
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なぜこんな状況になったのか、ことのはじまりや、外国人に日本の文化を伝える際に感じたことなどを、書いていきます。
少しでも興味を持ったかたは、ぜひ読んでみてください。


ことのはじまり
私は1年前から、ボランティアで日本語教師をしています。
インド・香港・トルコなど…
海外に住む外国の方に、英語を使いオンラインで日本語を教えています。
(ただでさえままならない英語で、ましてやこちらが教える側…
毎回始まる前は緊張して冷や汗ものです。
しかし楽しく日本語を勉強してくれる生徒さんを見ると、とても嬉しくなります。)
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コロナも落ち着いてきたある日、ボランティアリーダーから連絡がありました。
「インド人の生徒さんとその家族が、日本へ旅行に来ます!」
インド人 生徒さん・10泊11日の日本初旅行
旅程:東京→河口湖(富士山)→関西→東京
なんと11日の旅程です(うらやましい…)
他のボランティアさんのほとんどが関東在住。
生徒さんたちが東京に行く時にはその方たちが、観光案内のガイドをすることになりました。
そして唯一関西に住む私には、京都の夕食をホストをするミッションが与えられました (!)
…というのは嘘で、自分から「その日は空いているので会いたいです!」と手を上げました。
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しかしご家族だけでなく、生徒さん本人にも、私はまだ一度も会ったことがありません。
日本語クラスは学習レベル別にいくつかに分かれており、その生徒さんは私が一度も担当したことのない方でした。
いざ「夕食のホストします!」と威勢よく答えたものの、
「緊張するな〜 インド英語、聞き取れるかな〜 お店どこにしよう???」
と、ドキドキでした。
おもてなしの注意点
来日するのはインド人4人家族。お母さん、お父さん、娘、息子。
生徒さん(=お母さん)だけは、“ヴィーガン”という、ベジタリアンの中でも特に厳しい(卵なども食べない)とのことでした。
なので事前に、京都でベジタリアン可能な料理を探す必要がありました。
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私の仕事でも、海外のお客さんが日本に来ることが多いです。
中国人向けに食事場所を探すことはたびたびありますが、インド人向けのお店探しは初めてです。
“ベジタリアン”というのが中々高いハードルとなり、中々お店を見つけられませんでした。
しかし最終的には「ザ・日本食」な感じの、さらには京都っぽい、お豆腐料理屋に決めました。
当日
お店が決定したのは前日。
残念ながら前日予約は不可でした…。
しかしお店の前で整理券を発券できるとのこと。
当日に生徒さんたちに会う前に、お店に寄って整理券を取っておくことにしました。
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事前に17:30ごろにお店に寄ると、すでに『満席』。
店員さんに「整理券を取って、あとで4名連れてきます。(合計5名)」と話したところ、
店内のほとんどは4人席テーブルとのこと。
「2テーブルになってもOKなんで、入れてください…!
海外の知り合いなんで、どうしてもおとうふを食べてもらいたくて、、」
と頼み込むと、店内の責任者さんらしき方が出てきて
「分かりました、なんとかします」と心強い返事が。
整理券を握りしめて、京都駅近くのホテルに向かいました。
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緊張しながらホテルのロビーで待機。
約束の時間である18:00に、それらしき一行が、エレベーターから降りてきました。
(日本人とは感覚が違うと思ったので、多少遅れてくることも覚悟していました。
しかしさすが日本語学習者なのか、時間ぴったりに来てくれました。)
「Hi, Nice to meet you! (はじめまして)」と挨拶すると
生徒さんやそのご家族たち、めちゃめちゃ素敵な笑顔で、挨拶してくれました。
それからお店までの10分弱、私も含めて5人で歩いて向かいました。
その間にも東京旅行でのトラブルなどいろいろ話してくれて、お店に着く頃には私の緊張は少しほぐれていました。
(東京では、電車に乗り遅れて隅田川クルーズに乗れなかったり、代わりに美術館に行くもチケットが完売…など、バタバタだったようです。
これも旅の醍醐味ですね。)
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そして再びおとうふ店に行くと、なんと5人が座れる席を確保しておいてくれました (!)
(なんてありがたい。。)
そしてメニュー選び。
“ベジタリアン用セットメニュー”があるので、生徒さんにはそちらを。
そして残りの3名からは、「コースではなくアラカルトがいい、良い感じによろしく。」とおまかせされたので、私が適当(良い感じ)に、ザ・和食っぽいものを頼んでみました。
頼んだもの:
胡麻とうふ、湯豆腐、生麩の田楽、豆腐サラダ、生湯葉のおさしみ
ちょっと記憶があいまいですが、上記のものを2セットずつ。
思ったよりも量が多く頼みすぎでしたが、、みんな頑張って食べてくれました。
おとうふ それ自体には味はあまりないので、少し変わった味だと思ったようでした。
やはりインド料理のカレーなど、辛い印象がありますが、辛いものが好きなんでしょうか??
わさびなどよく付けて食べていました。
今回初めて知ったのですが、とうふ自体はベジタリアンにOKでも、例えば湯とうふに魚の出汁が使われていると、ベジタリアンにはNGなんだそうです。
その点も勉強になりました。
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そしてなんと料理の最後には、店員さんが茶道道具を持ってきて、お抹茶を点ててくれました。
聞くとベジタリアンメニューについているのだとか。
私も以前少し習っていた茶道での知識をフル回転させて、飲み方などを伝えます。
まさか伊勢丹の11階で、日本の伝統文化の紹介ができるとは。
めずらしいようで、20歳の娘さんはお抹茶を点てる時のお手前の写真を撮っていました。


それぞれの料理の英語名は?
いざ食事を初めて困ったことは、私の英語・語彙力の少なさです。(特に和食や日本文化の英語での説明)
おとうふ はともかく、生麩、湯葉など 「これは何??」と聞かれても、えっとー。。と、上手く説明できませんでした(汗)
備忘も含めて、後から調べた言葉を記します。
日本料理を英語でせつめい
- 湯葉:soy-milk skin / bean curd skin
- 生麩:wheat gluten mixed with rice floured steamed in large blocks
- お好み焼き:the meaning is “As-you-like-it Pancake” / Japanese pizza-like dish
- おばんざい:traditional home cooking of Kyoto
- 舞妓さん:traditional female Japanese entertainer
- お盆:one of the buddhist events / Festival of the Dead /
In Buddhism, it is believed that the spirits of family ancestors come back to this world in summer.




日本アニメの人気
今回迎えたインド人ファミリー。
娘さんは大学生、息子さんはこの9月から大学生に。
インドは、というか世界の大半の国は、学期が9月始まりなんだそうです。
びっくりしたのは、息子さんもだいぶ日本語を話せる & 聞けること。
(最初はシャイなのかあまり話してくれなかったのですが、だんだんと話してくれるようになりました◎)
なんでそんなに日本語上手なの?! と聞くと、「にほんのアニメ、だいすき」とのこと。
特に呪術廻戦 推しなんだそうです。
私の呪術廻戦について知っている知識は、Eve「廻廻奇譚」やKing Gnu 「逆夢」など、オープニングやエンディング曲くらい。
アニメ全般的に、普段は見ません。
しかし「アニメ、すきですか?」と息子さんのつぶらな瞳で聞かれたら「ソコマデ ミマセン」とも言いたくなく、、
鬼滅のアニメを見たことはあったので、「鬼滅が好き」と答えることに(汗)
(「Oh Kimetsu…!」と良い反応をしてくれました。)
「インドでは日本のアニメ、人気なの?」と聞くと、
「とてもpopular(人気)」とのこと。
それは知らなかったので、かなり驚きました。
日本文化の一つとして、アニメも もう少し知っておきたい!と強く思ったのでした。
日本語のべんきょう
息子さんはアニメは好きだけれど、これから大学入学で忙しくなるので、日本語を本格的に勉強する時間は取れないとのこと。
お父さんは息子さんに、「先生に、日本語力をキープできるコツを聞いておいたらどうだ?やっぱりニュースを見るのがいいのかな?」的なことを話しました。
先生とは私のことです。。
資格などないですが、ボランティアとして “日本語教師” をしている身…
『むむ?! なんて答えようか?!』と思いながら、必死に考えて答えました。
「アニメは日常で使う言葉だし、好きなものを見続けていた方がいいと思う。」
「でも見るだけだと受動的だから、しゃべる練習…例えば私は歌が好きだから、カラオケで歌ったりヒヒトカラ(一人でカラオケに行く)をする。日本のアニソンとかを歌うのも良い。」
(他にも良いアドバイスがあれば、ぜひ下部のコメントなどで教えてください(!))
先生と呼ばれることに、少しのプレッシャーとむずがゆさを感じつつ、同時に頼られて嬉しくもある瞬間でした。
感想と気づいたこと
生徒さん自身は、日本語を3年近く勉強しています。
日本のおもてなし精神が培われているのか(?)、なにかと気を遣ってもらえました。
私が話すのに一生懸命で全然食べてなかったので「食べてたべて」と言われたり。
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そして英語での会話について。
生徒さんは日本人の英語を聞き慣れているので、私の英語をたいてい理解してくれました。
そして話す時もゆっくり話してくれたので、私もだいたいは聞き取れました。
しかしお父さんには、私が話す英語は たびたび「?」となるようで、生徒さんがさらに英語で説明してくれたり、逆にお父さんの英語も、私には早くて半分くらいは聞き取れませんでした。
なのでやはりまだまだ英語の勉強が必要だなぁと、実感できました。
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4人ともフレンドリーに接してくれたので、とても楽しくなって、お別れするのが少し寂しいくらいでした。
最初ホテルにお迎えに行く時はかなり緊張して、「あ〜早く終わって帰りたい。。」と思っていのが嘘のようです。
ちょっとは“コンフォートゾーン”から出て挑戦できたかなと、満足して私も帰路に着いたのでした。


おまけ:店員さんもびっくり
今回夕食で利用したお店では、おもに英語ができる店員さんが対応してくれました。
インド人お父さんが「君、英語上手だね。」と話しかけると
「ええ、私インドネシア人です」と返事が。
たしかにちょっと日本人とは顔つきが違いますが、まさが外国の方だったとは…!
そして店員さんが「あなたも日本語上手ですね」と。
わたしたち5人はほぼ英語、ときどき日本語もおりまぜて話していました。
なので日本語を話していた生徒さんか、息子さんに話しかけたかと思いきや。
まさかの私に対して、日本語を褒めてくれてました…(!!)
私も濃いめの顔つきなので、小さい頃からハーフとかいろいろ間違えられてきました。
しかし最近は、みんな遠慮してなのか言われなくなっていたので、久々の感覚です(笑)
私に言われてるとは思わなかったので、「oh…」とすぐに反応できなかったです。
代わりにお父さんがちょっと笑って、「彼女は日本人だよ」と言ってくれました。
すると店員さんは「えっ本当に…?!?!」と、かなりの驚きよう。
なかなか面白い体験でした。
エキゾチック??な顔。このおかげで、アジア放浪などした時には、すぐに現地に溶け込めるなど、色々と利点が多いです。
これを普段の生活や仕事にも活かせないものか…
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長文でしたが ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
利用したお店
今回お食事に利用したお店は、京都伊勢丹11階にある、「京豆腐 不二乃」さんです。
前日の予約はできませんでしたが、お店前で整理券を発行しています。
外国人のお客さんが多いのか、英語メニューがあり、英語OKな店員さんも。
ベジタリアンに加え、イスラム教のハラール用のメニューもあるようです。
店員さんも親切で、とても使いやすいお店でした。
京都駅付近で日本らしい料理でおもてなししたい時は、また使わせてもらいたいなと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
別ミッションとして、名古屋土産「ぴよりん」のレビューも書いています。
良ければ読んでみてください*
【感想やコメントなどあれば、以下からお願いします。】


