キャッチーなタイトルだと思う。
1,000万円とかならまだ手が届きやすいと思うけど、1億円なんて一般ピーポーには全然手が届かないし、目標にもする人は中々いないのでは。
でも本書は4部構成になっており、著者の井上さんが伝えたい、読者にやってほしいことは至ってシンプル。
文章が容易で読みやすく、とても理解しやすい。
これなら一般人でも出来るかも…?と思わせてくれた。
本書の目次
第1章 半身不随から始まった僕の1億円への道
第2章 僕は人生最大の発見をしてお金を増やした
第3章 僕は、住居費を払いたくなかった
第4章 億万長者になって具体的に変わったこと
要約(ネタバレあり)
印象的な言葉をピックアップ。
▶︎未来のお金を想像する
世界が豊かになったのは……「世界の人口」と「お金の総量」が増えたことが原因だと思う。
*本書の大きな柱として、投資信託の積立投資が勧められている。そしてその理由として、「世界の人口」と「お金の総量(世界のGDP)」が2050年まで増え続けるだろう、というもの。
▶︎億万長者になるために続けたたった二つのこと
- お得な節約情報は、とことん調べて実践する
- 毎月自動で投資できる仕組みを作る
*本書で勧められていることは至ってシンプル。
節約して、その元手で投資信託を積み立てで行いましょう、というもの。
▶︎加速度的にお金を増やすために毎月10分だけ続けているルール
これから投資信託をする人に守ってほしい3つのルール
- 記帳ルール 運用成績(積立額とその時点の資産評価額)を記録する
- 売却ルール 売却のタイミングは大きく2回。
タイミングが来たらそれまで積立した分を全て売却する。
①基準価額が右肩上がりしている時期は「損益(%)」がプラス20%を超えた時
②基準価額が右肩上がりしている時期は絶対に売却せず、積立投資を継続し、その後「損益(%)」がプラス100%を超えた時(に売却を検討する) - 売却後の積立ルール 売却して得たお金は、10年分に分けて毎月の積立額に上乗せする。
*私も投資信託での積立は始めていたけれど、特に金額チェックもせずに数年間ほぼほったらかしにしている…。
金額の上がり下がりを気にして一喜一憂するよりは良いかもしれないが、それでもこの3つのルールだけは、私も実践しようと思う。
▶︎家賃は交渉できる
〈家賃交渉で成功する条件〉
- 物件を探す時期は、5月と11月
- 仲介不動産の営業マンを味方につける
- 交渉の切り札は「その場で決断」
営業マンと大家さん、ともにこの言葉は有効
*本書のメインとして投資信託の説明が第2章に。そして第3章では、住居費にの節約方法ついて述べられている。
繁忙期を過ぎた5月と11月に物件を探し、「○○円にしてくれたら今日契約します!」と言って交渉する。これを次回の引っ越しではぜひ実践したい。
▶︎不動産は知識と経験の世界
知識を身につければ、物件購入時に100万円、200万円レベルの節約は簡単にできる
*井上さんがコペルニクス的に発見したのは、
お得なマイホームを購入→リフォームする→実際に数年住む→購入額以上で売却する
それを繰り返せば、住居費は一生タダかもしれない!というもの。
そして井上さんの勉強っぷりがすごい。
学校で不動産投資のカリキュラムを徹底的に学び、上記の発見を何度も実践している。
実際に1380万円で購入したマンションを2490万円で売却するなど、そのコペルニクス的発見を実証している。
私も不動産投資はお金持ちのための投資、と思っていた。(でも前から少し興味があったのも事実)
こんな方法があるんか!とかなり目から鱗だった。
「賃貸か分譲か」これはよく聞かれるし、マイホームは人生で一番大きな買い物と言われている。
私は現在は賃貸に住んでおり、特にマイホームが夢!とかではないので、一生賃貸でもいいかなぁと思っていた。
でも「中古マンションをリフォームして売却する」。この方法もありかもしれないと、人生の選択肢が広がった。
▶︎リフォームでコストを抑える、三つのステップ
- 自分で間取り図を書く
・素人でもパワーポイントの図形をつなぎ合わせて作成可能。
・電気やコンセントの位置も指定して、自分たちが暮らしやすいように生活導線を意識。 - 徹底的に施主支給をする
・設備調達のほとんどを、アマゾン・楽天市場・ヤフオク・ショールーム施主支給専門卸にて取り寄せる。 - それを実現してくれるリフォーム業者に依頼する
・施主支給リフォームは敬遠される傾向にあるが、きちんと対応してくれるリフォーム会社も存在する。筆者は7社に見積もり。
*これもすごく徹底していてすごい!と思った。
聞くからに大変そうだけど、これが出来るのは、井上さんにとってこの方法が「合って」いたんだなと思う。
▶︎自分の「今」を把握する
投資信託「3つのルール」の中の「記帳ルール」の延長線で、ライフイベント表・キャッシュフロー表 を作成する。
→家計と経済の「今」に興味を持てる
これら二つの表を作っていると、「1億円」というお金が、単なる数値としても目標ではなく、自分の人生でやりたいことを叶えるためのツールだと思える
▶︎お金の棚卸しーーーお金の不安を抱えている人が今からできること
・自分のお金を一度全部棚卸しして整理してみる
準備してほしいもの
・自分(パートナー含む)名義の貯金通帳
・過去3〜5年間の収入の推移がわかるもの(給与明細でも源泉徴収票でも可)
・自分のお金と向き合う日を1日作ってみる。
・固定費はしっかり抑えて、余ったお金は銀行ではなく世界経済に預ける。
あとはルールさえ守れば、時間が勝手に不安を解消してくれる。
まとめ
著者の井上さんは大学生の頃に、「世界の人口」と「お金の総量」が増え続けることに気づき、投資信託を始める。
節約とともにコツコツと貯め続けるが、結婚式を目前とした20代後半で生死をさまよう大事故に遭い半身不随になり2ヶ月入院。
そして無職の期間を経て、投資信託を続け、さらに不動産投資を行い、1億円の資産形成を達成。
すごい半生だと思う。
本書では
①節約して元手を貯めて、投資信託に積立をする
②不動産投資として、中古マンションなどを安く購入しリフォームし、元値以上で売却する
という方法が紹介されている。
しかし井上さんが読者に推奨しているのは①の投資信託のみ。
②が出来るのは、よっぽど不動産投資が向いている人だけだと思う。(ただ私も少しばかり興味がある)
井上さんはデイトレードやアフィリエイトに挑戦して、失敗もしている。
色々なことに挑戦・失敗して、そして自分に向いている不動産投資に出会ったのだと思う。
まずは色々挑戦して、自分に何が得意なのか、向いているのかを探すことが大事だと思った。
そして井上さんは「僕は専門家ではないので詳しくは分かりません」と事前に前置きしつつ、本書全体を通して親しみやすく、素人にも分かりやすい平易な言葉で説明してくれているので、とても読みやすい。
特に秀で才能はないけど、お金を貯めて億万長者になりたい!と思う人には、おすすめの一冊。
読書レビュー:2023/6/9
書籍紹介
著者:井上はじめ
1985年、宮崎生まれ。ダメリーマンだが、大学時代にたまたま読んだ新聞記事と、社会人になってから生死をさまよう大けがをきっかけに、お金を増やす方法を発見。
「投資家ではなく節約家」がモットー。
発行:株式会社新潮社
発行日:2020年3月25日
33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由 [ 井上 はじめ ]