著者の金川(かながわ)さんは、なんと大学在籍中に公認会計士に合格している。
そして就職後も激務をこなしながら起業準備をし、事業を軌道に乗せる。
本書ではそんな金川さんの効率化のノウハウを知ることが出来る。
毎日1項目ずつ実践すれば、たった2週間で理想の自分に辿りつくための道筋を描くことが可能、として、仕事のための環境、実際の仕事に関わる効率化のノウハウ、そして仕事以前の基礎的な部分に分けて、紹介されている。
本書の目次
1日目 決まった場所と時間を作る
2日目 パソコン環境を徹底的に整える
3日目 操作・入力はほぼ自動化する
4日目 時間を断捨離する
5日目 CAPDでまず検証する
6日目 頭が良くなる「箇条書き記録法」
7日目 しないことリストを作る
8日目 自分だけではなくチームで効率化する
9日目 50%で見切り発車する
10日目 超効率・情報収集術
11日目 超効率・時間管理術
12日目 睡眠を極める
13日目 食事や運動にこだわる
14日目 コミュニケーションを極める
要約(ネタバレあり)
印象的な言葉をピックアップ。
▶︎将来の自分のために今すぐやるべきこと
ノートやA4用紙の真ん中に線を引き、左に現在の自分、右に将来のビジョン(やりたいこと) +「いつまでに」という期限 について、思うつくままに書く。
→今の自分と、将来の理想の自分の差が見えてくる。そしてその差を埋めるための具体的な行動が見えてくる。
*どうやら紙にペンで書くことって、pcやスマホで打つよりも、思考の整理に効果的らしい。
「満員電車に乗りたくない」とか、内容はどんなことでもOKとのこと。
これは一度やってみたい。
▶︎「やるか、やらないか」ではなく、「やるか、すぐやるか」
…できる人はそもそも優秀だから、自分とは能力が違うからだという理論も全くの見当違い。
人よりもずっと速く、たくさん行動して、失敗したら改善し、準備や仕事以外のところで努力している。それだけで圧倒的に差が出てくる。
*これは私にとってとても励まされる一節だった。
仕事でめちゃめちゃスピーディーにこなせる人がいるけど、ひょっとしたらその人もたくさん失敗して、たくさんの経験値を積んでいるからかもしれない。
くさらずにちょっとはがんばってみようか、という気持ちになれた。
自分は仕事が遅いのではなく、単に経験値や失敗の量が足りていないのかも知れない。
▶︎時間は朝と夜にたった30分ずつ
毎日同じ作業場所で同じものを注文し、朝活と夜活を行う。
→最初は集中できなくとも、「ここに来たら常に仕事のための作業をする」という習慣を身体に覚えさせる。
*私は毎回違うお店にいったり、違うものを頼んでみるのが好きだけど、「集中することを身体に覚えさせる」というためには、“同じ場所で同じものを飲みながら”というのはとても有効な気がする。
▶︎半年に1回くらいを目処に新しいパソコンを買い換えるべき
パソコンは経年劣化により、気付いていなくとも動作が遅くなっている
*本書の中で一番、「えっここまでする?!」と思った内容。
さすがに半年での買い替えは極端だと思うけど、今私が愛用しているMacBook Airは既に購入して6年近くが経っている。そろそろ買い替えてみようか。
▶︎爆速で結果を出すには「PDCA」ではなく「CAPD」
まだやっていないことは有効な計画を立てられない。合格という結果ベースで考えると、自ずと「CAPD」、つまりCの「評価」からサイクルをスタートさせるべきだと考えた。
*これも私にはなかった考え。周囲からは無理と言われた、在学中に公認会計士に受かる、という目標をどうしたら叶えられるか、必死に思考した結果生み出されたものだと思う。これって日本の茶道や武道でいわれる「守破離(しゅはり)」と似てるなと思った。
▶︎大事なのは「やります」よりも「やりません」
仕事を抱えすぎないために「しないことリスト」をつくる。結局、何でもかんでも自分一人でやる人は、仕事ができない、出世しない人で終わることが多い。
…仕事を早くおわらせるためには、期限を設けて、優先順位が高いものから作業をして終える、ということが大事。
*これはよく聞く内容。どこまで断っていいものか悩むところではあるが、本書で述べられているように、単に「できません」と断るのではなく、「今○○を取り掛かっているので、その後でなら対応可能」という言い方をするだけでも、だいぶ変わってくると思う。
まとめ
いろいろ極端だな、と思う内容はあるけれど、朝晩30分ずつ同じ場所で朝活夜活を行う、など、試してみたい内容も諸所あった。
「おわりに」の一節の言葉が、ぐっと自分の中に入ってきた。
私はこのままの働き方でいいのか…?
まずは自分の理想との差(ギャップ)を認めることから、始めたい。
“「何となく働いている」と受け身になっているのであれば、それは目隠しをされたまま生活している状態と同じです。あなたの目の前には無限の可能性と選択肢があることに早く気づいてください。
そして、お金を稼ぐこと以上に、仕事を通じて充実した経験ができるかどうかに重きを置いた働き方をしてほしいと考えています” (「おわりに」より)
読書レビュー:2023/5/23
#読書感想
書籍紹介
著者: 金川顕教(kanagawa Akinori)
株式会社Social River代表取締役。三重県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。
大学在学中、公認会計士試験に合格し、世界一の規模を誇る会計事務所デトロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職後、後に起業。
発行:株式会社KADOKAWA
発行日:2017年6月2日