【読書レビュー】身近な友達みたいに親近感がもてる「それでも空は青い」(ネタバレあり)

読書:小説&エッセイ

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友人のおススメ本。
普段は読まないような系統の小説だった。

本書は7つの全く別の物語で構成されている。
内容はミステリー、SF、感動ものなど、多種多様。

どの物語の主人公も、少し人生で悩んでいたり、
スーパースターでもなんでもなく、身近にいる友達のように親近感がもてる話が多い。

たいてい穏やかな結末であったが、特に「妖精たちの時間」と「あなたによく似た機械」はちょっとドキッとする展開で、予想していた結末を大いに裏切られた。

本書の目次

  1. スピードキング
  2. 妖精たちの時間
  3. あなたによく似た機械
  4. 僕と彼女と牛夫のレシピ
  5. 君を守るために、
  6. ダブルトラブルギャンブル
  7. 人生はパイナップル

要約(ネタバレあり)

印象的な言葉をピックアップ。

▶︎なぜなら、僕らは、もうすぐ双子をやめるからだ。
By ダブルトラブルギャンブル

*一卵性双生児で生まれた、仁と礼の物語。
序盤にこのことばが出てきて、「え、やめるってどういうことだろう??」
と引き込まれた。

▶︎僕らはしばらく笑いころげた。馬鹿みたいに。
そうしているうちに、僕は自分が抱えていると思っていたすべてのことが、どうでもよくなった。

By ダブルトラブルギャンブル

*物語の終盤、ちょっと緊迫感のあるシーンから、ふっと緊張の糸が切れる。
そう、私が抱えている問題とか悩みとかも、ちっぽけなもんだよなぁ、という気持ちになる。

▶︎「わかりやすい言葉に踊らされる奴は、自分の頭で考えることができない馬鹿だ」
By 人生はパイナップル

*主人公 奏太(そうた)の祖父は太平洋戦争前、当時日本の占領下だった台湾の代表として、甲子園に出場している。だが戦争が始まり、軍事教練指導で散々「非国民」と罵られ、無茶な手榴弾訓練をさせられ、肩を壊してしまう。
しかし「非国民だ」と散々他人を罵っていた人々は戦争が終わった途端、一斉に口をつぐんだ。…

*私も周りに踊らされていないだろうか?
ピリッとした言葉だった。

▶︎もつれる足を必死で動かして三塁を回る。…
どこからかパイナップルの匂いがした。…

*奏太の祖父が死んだ数日後、奏太は甲子園地区予選の三回戦に進む。
そして0対4の9回裏。
頭の中でじいちゃんと会話しながら、奇跡を起こす。

*小学校ではうまく人と話せなかった奏太が、じいちゃんとの野球練習を通じて自信をつけていく様子に、なんだか自分も嬉しくなる。

そして最後の地区予選ではジーンと感動した。
最終的に試合がどんな結果になったかは、ぜひ実際に、本書を読んで確かめてほしい。

まとめ

この物語では、何かしら悩みを抱えた人々が出てくる。
そして本書の帯の言葉を借りると、「人間関係に正解なんてない」ということに気づかせてくれる本。

短編集でどこからでも読めるので、気負わずにリラックスして読めると思う。

読書レビュー:2023年3月18日

書籍紹介

著者:荻原 浩 (おぎわら ひろし)
小説家・推理作家。1956年生まれ、埼玉県大宮市出身。

発行:株式会社KADOKAWA
発行日:2018年11月29日

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