読んだ本をすぐに忘れてしまうので、自分の備忘録のために始めた読書メモ。
いつも気ままに書いているのだが、「もう少し分かりやすく、上手いこと書く方法はないかな?」と思い出会ったのが本書。
学校で読書感想文を書く人向けにやわらかく読みやすい文体で書かれているが、感想文を書こうとする全ての人向けに書かれた本。
夏休み終了直前、宿題でうーーーん。。。とうなっている学生さんにとっても、簡単に書き始められるヒントが散りばめられている。
少し難しい漢字にはふりがなが振ってあるので、小学生でも読むことができるのでは、と思う。
読書メモを書くにあたり、ヒントになる内容がたくさんあった。
本書の目次
はじめに
第1章 きみにも「最高の読書感想文」が書ける!
第2章 もう悩まない!スラスラ書けるようになる方法
第3章 押さえておきたい文章作法と表現のツボ
第4章 キラリと光る感想文の書き方
第5章 読書感想文を書くための、失敗しない本選びのコツ
要約
印象的な内容をいくつかピックアップ。
▶︎きっかけの船には喜んで乗ってみる
・大人になってからも自分の感じたこと、思ったことを言葉にして人に伝える能力がとても大切になる
・感想文を書くことは、自分の思いを言葉にして人に伝える「思考のトレーニング」
・きっかけを生かすも殺すもきみの心がけしだい
確かに社会に出ても自分の考えを言葉にして人に伝えるってとても大切。
私は話すよりも書く方が抵抗がないので、こうしてブログを書いてみようと思ったがどんな方法にせよ、人に分かりやすく伝えられるようになりたい。
▶︎自分に引き寄せてみる
・自分の心がどう動いたかを、自分の言葉で残そうとすることが大切
・「自分だったら」という思いを書けば、だれとも似ていない感想文になる
この方法を取れば、誰かの書き方や感想を真似するのではなく、
オリジナリティが出せそう。
▶︎「グッとくるいい言葉」をさがす
・「グッときたところ」は自分が何かを強く感じたところ。
君の感想のエッセンスになる
・その中からベスト3を決めて、自分の体験をまじえる。
まずは読んでる中で印象的なところ、心が動いた箇所を拾い出してみる。
▶︎まず「書きたいことメモ」をつくろう
①まず、自分が書きたいことをどんどんあげる
②その中でもいちばん伝えたいことは何かを考える
③大事だと思うことに優先順位をつける
何事においても、優先順位を付けるってとても大切。
▶︎いちばん大事なことから書く
・きみにとっていちばんいいところを書く。「主観」で構わない。
・読書は、読み手が意味を生み出すもの
ここが一番印象的だった。
私も「こう思ったけど、他の人はそうは思わないかも..」と思ってしまうことがある。
でもあくまでも自分が思ったことを書けばいい。とても背中を押された部分である。
▶︎文体で印象はがらりと変わる
・「です、ます体 (敬体)」やさしくやわらかな雰囲気。
弱点:ダラダラした印象になりやすい
・「だ、である体 (常体)」ピリッと引きしまり大人っぽい印象。
弱点:なまいきそうに感じられたり、かたい印象を与えやすい
・文章を書くときには、だれに読んでもらうか、イメージをもっておく
まさに私も気になっていた点。
「だ、である体」と「です、ます体」、どちらで文章を書くか。
今のところ「だ、である体」が書きやすいのでこちらを使っているが、いつの間にか「です、ます体」に変えているかも知れない。
ここの項目で斎藤さんは作家の万城目学さんの言葉を引用している。
「自分の小説が中国で翻訳されると本の厚さが薄くなる」
その理由は『日本語の語尾バリエーションが中国語に変換できない』から、だそう。
私にとっては眼から鱗の内容だった。
私自身少し中国語をかじっている。
中国語のその短さは、チャットを送る際にも、日本語に比べて明らかに短文で済む。
楽だし早く打てて良いと思っていた。
でも日本語は、文章は長くなるけれど
それだけ多彩な表現が可能なことを、改めて気づいた。
▶︎結びつけ力で自分らしさを出す
・意外なものを組み合わせて結びつける
これは今まであまり意識したことがなかったかも知れない。
読んでいてふと他の物語やものごとが頭をよぎったら「つなげ力」を発揮させてみたい。
▶︎どんな意味を見つけられるか
・その本が「いい読書感想文が書ける本になるかどうか」は、そこに「自分としてどんな意味を見つけらるか」にかかっている
・自分に決定的な影響を与える本当の出会いは、どこにあるかわからない。
自分にとってバイブルと言える本はなんだろう。
自分でもいくつかの国をバックパッカーとして旅してから、沢木耕太郎の『深夜特急』を読み始めた。
混沌としてアジアなど、「分かる分かる」と納得したり、懐かしみながら読了した。
バックパッカーを初めてする前に読んだら、間違いなくバイブルになっていた気がする。
まとめ
読書感想文の提出が求められたのは遥か昔の出来事だが、読書メモだけでなく、普段の仕事でも、人に伝わりやすい文章を書くヒントをもらえた。
まずは自分がグッとくる言葉を拾い上げて取捨選択して、優先順位をつけることが大切。
それって人生においても大切なことだな、と実感した。
また意外にも本書を読んだおかげで、日本語の表現方法の豊かさなどを改めて認識できた。
2023/1/28
書籍情報
著者:斎藤 孝 (さいとう たかし)
1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。
著書に「声に出して読みたい日本語」など。
発行:角川書店
発行日:平成24年6月25日