30代前半ですでにセミリタイアを達成している なにおれさん。
そのシンプルライフに感動して、SNSでいろいろと参考にさせてもらっています。
そこで紹介されていた書籍「私の生活流儀」。
著書は本多静六さん。初めて知ったのですが、実はかなりすごい人でした。。。
ここでは本書を読んで、私が気になったポイントをまとめています。
健康長寿はもちろん、暮らし方・考え方など、本多静六・哲学の一端を知ることが出来ます。
本多静六さんとは
日本の林学者であり造園家、そして株式投資家。日本の「公園の父」と言われているそうです。
そしてなんと大学定年退官の時に、全財産を匿名で寄付しています。
私がまず惹かれたのは、本書の表紙に書かれた言葉です。
偉大な学者でありながら
巨億の富を築いた哲人が説く
死ぬまで元気に生きる秘訣
働学併進の簡素生活を続けた静六さん。
85歳で逝去するまで毎日2時間の歩行運動をするなどピンピンしておりまさに健康長寿。
晩年も若者に負けないほど精力的に活動されていたようです。
私も日頃から、ピンころりで死にたい…!!と思っているので、その秘訣をぜひ知りたいと思い、読んでみました。
目次で気になったところから、読んでみてください!
本書の目次
私の健康長寿法
一、健康長寿はどうして求めるか
二、一生元気に働き続けるには
三、人間は百二十まで生きられる
四、新生命観と人生計画の立て方
私の暮らし方・考え方
一、ムリのない法・ムダのない法
二、大切な住いの工夫
三、家の内のこと・家の外のこと
四、頭の使い方と足の使い方
五、ぐっすり眠り忙しく働く法
六、金の話・人の話ーーある日の放談ーー
【附】だれにでもできる平凡利殖法
要約
私が読んで気になったポイントを、ピックアップしていきます。
世の中はままならぬもの
私は、このままにならぬ世の中に処して、これをままにするただ一つの秘宝を知っている。
それは、この世の中を、ままならぬまま、在るがままに観じて、避けず、おそれず、自らの努力を、これに適応させていくことである。
これは仏教の「あるがまま」と同じ考え方だなと思いました。
あるがままを受け入れる。意識して取り入れたい考え方です。
中年以後の健康法
いつまでも元気で働けるーー
それが、本当の健康体である。
いつまでも元気で働き続けられるーー
これが、本当の長寿法なのである。
中年以後に特に気をつけたこととして紹介されている10の健康法。
中年と言わず、全て若い頃からでも役に立つと思いました。
その中から私が特に印象的だったことを4つ挙げます。
- 食物はすべてゆっくり噛みしめた。
- 疲れを感じた時、いつ、どこでも、短く五、六分、長くて三十分くらいぐっすり眠ることとしていた。
- 夜間の八時から十時頃まで、約二時間ずつ徒歩運動に充てることにした。
- 自分の現在の境遇は、常に過分であると感謝し、何事にも不平不満を抱かないようにした。
うーん。。しかしどれも、私には出来てないものばかりです。。。
早食いなので、ぱくぱくっと食べてしまいます。
まずはもう少し味わって食べること。
そして疲れやすいので、少しでも疲れたら少し休憩する(さらに出来そうなら仮眠も取る)ことを心がけたいです。
***
人間は百二十まで生きられる。
とも静六さんは言います。
そして満25歳の時に120歳までの「人生計画表」を作成。
教練期間、勤労期、奉仕期、楽老期と4つの期間に大きく分けられ、計画目標や計画方法が記載されています。
そんな若い時から、その時の約5倍の人生(120歳まで)を生きるとして、計画表を作成していることがすごいです。
マゴつかぬ早手回し
自分の仕事は自分で、しかも、できるだけ先へ先へと早目に片付けていく。
これが日常生活における私の一番の心がまえである。
その先手先手の心構えは仕事だけではなく、汽車旅行でもそうだといいます。
支度が出来次第、早目に出かけて、時間があればそこで本を読むなりして過ごす。
出かけるぎりぎりまでに家で仕事にかじりついていたりはしない。
この章を読んで、さすが仕事ができる人はゆとりがあるなと、感心してしまいました。
エキス勉強法と行読法
学生時代からの読書法・勉強法として、「エキス勉強法」と「行読法」というものの合わせ技が紹介されています。
やり方はいたってシンプルです。
- エキス勉強法:参考書などで重要な点を別の紙に書いていく。
- 行読法:そして要点だけに圧縮されたその紙を持って、歩きながらそれを頭に入れていく。
「行読法」は つまり、歩行しつつ読む法 です。
机に座って勉強するよりも動きながらの方が記憶が定着するとは聞いたことがあります。
しかし100年以上前にもすでにその方法が取られていたとは、少し驚きです。
眠りを深くするには
静六さんは昼寝も併せて1日5時間程度の、短時間睡眠だったそうです。
睡眠は眠る深さと長さを掛け合わせたもの。
自分は人よりも睡眠が深い。
なので短い睡眠時間を可能にし、勉強できる時間が増えて一挙両得。
そして眠りを深くするために、以下が大事だと話します。
頭と体とを適度に(あるいは十分に)働かせなければならぬ。
毎日の徒歩主義は、また毎晩の熟睡主義とも一致したのである。
私はあまり寝つきが良くなく、30代になってからとくに眠りが浅くなったと感じています。
3の睡眠の質があまり良くないのは、もしや在宅勤務が続いて運動不足だから…??
静六さんのように毎日2時間とは言わずとも、少なくとも1日1回は外出して、散歩しようと思いました。
睡眠の時間は、その人の体質と境遇で一定できないが、
要するに疲れれば休む、眠くなれば眠る、
その代わり眠るとなれば深く眠り、十分に寝て、自然に覚めたらすぐ起きることだ。
短時間睡眠を推奨しているわけではなく、疲れれば休む、眠くなれば眠る、ということだそうです。
私は8時間が自分の適正睡眠時間だと思っているので、読んでいて少し安心しました…。
働学併進の生活
「健康に関する「私の暮らし方・考え方」
衣・食・住については粗衣粗食の簡便主義、あとは何事にも明るい方面ばかりをみて、くだらぬ心配をせぬことだ。
そして楽隠居生活などとはもってのほか。
どんなことがあろうと、なんでもいい、うんと働き抜くことだ。
「職業の道楽化」とも語る静六さん。
仕事が人を年寄らせない。
忙しさが人を若返らせる。
正直私は「あ〜早く仕事辞めて、楽になりたい…!!」と思うことが 頻繁に たまにあります。
でも、仕事を辞めたいんじゃなくて、楽しく仕事をしたいというのが本当の気持ち。
そして”忙しいは悪”、ゆとりを持って過ごしたい!と思っていました。
なので「忙しさが人を若返らせる。」というのは目から鱗の考え方でした。
まだ道のりは遠いですが「職業の道楽化」を目指して、これからも勉強し続けていきたいです…!
時の加勢を得ること
貧乏や失敗は早いほどよい。
と静六さんは話します。
しかし同時に
「中年者の失敗や貧乏は絶望と申すのじゃない」とも。
40代や50代で失敗から立ち直り、成功することも可能だとして、高橋是清や実業家の馬越恭平を例に話します。
人間奮起するのに、いまからではもうおそいということは決してない。
…わしの処世の要訣の一つに、いかなることにも、「時の加勢」を忘れぬことというのがある。
この言葉に、「社会人になってからもう10年も経ってしまった…」と思う30代の私も励まされました。
***
人間の成不成は、すべてのものを時勢と境遇に応じて生かす努力にあるのであって、学問と経験はいつも尊いその基盤となるものである。
…まァ、ここらで、わしの人生観、処世観をいわせてもらうと、
やっぱり「人生即努力」「努力即幸福」ということになるんじゃよ。
この「人生即努力」「努力即幸福」という言葉に、静六さん哲学のエッセンスが全て詰まっているように感じました。
【附】だれにでもできる平凡利殖法 (資産を増やすコツ)
本多流の致富奥義はしごく平凡。
だれでもできるし、だれにもやってもらいたい
その奥義は3つです。
- 第一に、常に収入の四分の一を天引き貯金すること。
- 第二に、いくらか貯まったところで、巧みに投資すること。
- 第三に、ムリをしないで最善を尽くし、辛抱強く時節の到来を待つこと。
読むと特別に難しいことはなく、いたってシンプルな方法にみえます。
シンプルな方法こそ、一番強いのかも知れません。
この本多式四分の一貯金法については、別書「私の財産告白」で詳しく述べられています。
▶︎「私の財産告白」の読書レビューはこちら
まとめ&感想
本書の内容は、もともと1951年に刊行されているものです。
文体も現代語とは異なるところがあり、何と読むのか分からない漢字もあったりして、正直読みにくいと感じる時もありました。
(私の勉強不足もあるのですが(汗))
でも内容はシンプルで分かりやすいので、ぐいぐいと読み進められました。
最近人生100年時代と言われ始めていますが、70年も前にすでに人生120年計画表を作成していたことにびっくりです。
私が実践したいこと
静六流・生活流儀の中で、私がまず取り入れたいと思ったのは以下の4つです。
- 行読法で歩きながら知識をインプットする
- 仕事やタスクは先手先手で片付ける
- 疲れたらすぐ休む
- 頭も体も十分につかい、毎日ぐっすり眠る
ユーモアのある生活
また満86歳の時点で静六さんは、60,70代のことを「若盛り(?)」と例えています。
六七十の若盛り(?)に、もう自分の足で歩けない連中は気の毒なものだ。
など、随所にクスッと笑える書き方がされています。
「一方で自分はテクテク歩き、大きなステッキを杖として使わずに振り振り(※1)、
学生時代に覚えた歌をどなりながら歩いた。」
知らぬ人がみたらどこの気狂いかと思ったかも知れぬ。
※1 ステッキを振り振り…
公園設計などに携わっていた静六さんは、ステッキに目盛をつけます。
そして旅行先など行く先々で新しいものに出会うと、公共交通機関、公園設備、ホテルの椅子に至るまで、なんでも測って記録していたようです。
どこにいてもチャンスを逃さない…
やはり静六さん、すごすぎる方です。
莫大な富を築き、健康長寿を果たしただけでなく、ユーモアもある人だったようです。
私もちょっとしたことでぷりぷりと怒ったりせずに、ユーモアをもった切り返しをしたいと思いました。
***
本書は別書「私の財産告白」「人生計画の立て方」と
三部同時復刊されています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
そして、
気になるけど忙しくて本を読む時間がない…
そんな方には amazonのAudibleもオススメです。
私もスマホにAudibleのアプリを入れて使っています。
聴きたい時にサクッと聴けて、速度変更なども出来るので
気軽に読書の習慣ができています。
Audibleでは「私の生活流儀」も読むことが出来ます。
ぜひ試してみてください。
書籍紹介
「私の生活流儀」
著者: 本多静六 ほんだ・せいろく
1866(慶応2)年、埼玉生まれ。苦学の末、1884(明治17)年に東京山林学校に入学。主席で卒業後、ドイツに私費留学してミュンヘン大学で国家経済学博士号を得る。東京農科大学(現在の東大農学部)の助教授となり、「月給4分の1天引き貯金」と1日1頁の原稿執筆を開始。
研究生活のかたわら、日比谷公園の設計や明治神宮の造林など大きな業績を残すだけでなく、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築く。1927年の定年退官を期に、全財産を匿名で寄付。
その後も「人生即努力、努力即幸福」のモットーのもと、戦中戦後を通じて働学併進の簡素生活を続け、370冊余りの著作を残した。1952年1月、85歳で逝去。
価格:476円+税
ページ数:213ページ
発行:株式会社実業之日本社
発行日:2013年5月26日