【書評】本多静六「私の財産告白」仕事を楽しむコツは“職業の道楽化”

読書:実用書

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本多静六ほんだせいろくさんをご存知でしょうか?

莫大な富を築きながら、その後全財産を匿名で寄付するという、かなりすごい人です。

本多静六(ほんだ せいろく)
日本の林学者、造園家、株式投資家。日本の「公園の父」といわれる。

苦学して東大教授になり、「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資で巨万の富を築き、
大学定年退官と同時に全財産を寄付した。
1952年に85歳で亡くなる。
(wikipediaより引用)


私は本多静六さんの別書「私の生活流儀」を読んで、かなり衝撃を受けました。

読書レビューは以下です↓
【書評】本多静六「私の生活流儀」85歳で毎日2時間散歩。ピンころりのコツを学ぶ – かわべりーcafe (kawa-berry.com)


そこから派生して、今度は静六さんの「私の財産告白」を読んでみました。

本書では一貫して、静六さんのモットーである
「人生即努力、努力即幸福」について語られています。

「職業の道楽化」という聞きなれない言葉も出てきます。

***

ここでは備忘を込めて、本書で特に印象に残った点を抜粋・要約しています。

  • 静六さん精神・メソットを知りたい方
  • 「私の財産告白」を読む前に、内容をざっくり知りたい方

また

  • お金を貯めたいけど方法が分からない…
  • 楽しく働く方法のヒントを得たい…

という方にオススメです。

目次で気になったところから、読んでみてください!


本書の目次

本書は2部構成になっています。

前半はどのように莫大な財産を貯めて、手放したのか
後半は働くことの心構えなどが紹介されています。

<私の財産告白>

  1. 貧乏征伐と本多式貯金法
  2. 金の貯め方・殖やし方
  3. 最も難しい財産の処分法
  4. 金と世渡り
  5. これからの投資鉄則

<私の体験社会学>

  1. 儲かるとき・儲からぬとき
  2. 儲ける人・儲けさせる人
  3. 人間的サラリーマン訓
  4. 人を使うには・人に使われるには
  5. 平凡人の成功法



要約

特に印象的だった点を抜粋・要約していきます。

私の財産告白

1. 貧乏征伐と本多式貯金法

▶︎本多式「四分の一」貯金

静六さんは凡人にも出来る方法として、収入の1/4 をコツコツ貯めていく方法を提唱しています。

方程式にすると、

貯金 = 通常収入 × 1/4 + 臨時収入 × 10/10

ということになる。

静六さんが25歳の時に始めた貯金法だそうです。

1/4だけを貯めていく…
これなら私にもできそうです。


2. 金の貯め方・殖やし方

▶︎アルバイトの産物

静六さん
静六さん

私のアルバイトは、

「1日に一頁」の文章執筆の「行」 ぎょうによって始められた。

本書「私の財産告白」は元々1950年11月に刊行されています。

今から70年近く前にも、「アルバイト」という言葉が使われていたことに驚きました。
今で言うところの「副業」でしょうか。

そして370冊ほどの著書を生み出します。
なんと85歳になってもこのアルバイト 、 、 、 、 、 を続けていたというから驚きです。

*静六さんの健康長寿の秘訣については、別冊「私の生活流儀」に詳しく述べられています。
▶︎「私の生活流儀」の読書レビューはこちら


3. 最も難しい財産の処分法

▶︎子孫の幸福と財産
静六さんは莫大な富を築きますが、1927年の定年退官を期に、全財産を匿名で寄付します。

貯蓄がいくらあっても心配な人も多い中、財産全てを寄付してしまうとは驚き。しかも匿名で…!


5. これからの投資鉄則

▶︎常に社会情勢を見守れ

「好景気、楽観時代は思い切った勤倹貯蓄」(すなわち金を重しとする)
「不景気、悲観時代は思い切った投資」(すなわち物を重しとする)
という鉄則てて直進することを人にもすすめている。

ただコツコツ貯めるだけではなく、

情勢を見極める大切さも説いています。





私の体験社会学 

1. 儲かるとき・儲からぬとき

▶︎恐るべき被害妄想

一度何かに失敗した人は、ーーーあるいは反対にある程度の成功を収めて、その小成に安んじようとする人は、自ら求めて一種の被害妄想にかかるものが多い。

…物事を成すには、といかく一本に打ち込むことが大切だ。

人生における七転び八起きも、つまりは天の与えてくれた一種の気分転換の機会である。

これを素直に、上手に受け入れるか入れないかで、成功不成功の分かれ目となってくる。


私も仕事などで悩むことがありますが、静六さんの「人生における七転び八起きも、つまりは天の与えてくれた一種の気分転換の機会」という言葉に、なんだか救われました。


▶︎失敗は人生の必須科目だ

総じて世の中のことは、一から十まで何事もうまくいくものではない

…要するにやれるだけのことをやってきたのなら、その結果についてそうそういつまでも悔やむことはない。
問題はそれを「良い経験」として次の仕事に生かしていくことである。

…戦後駆け出しの若い諸君が、てんやわんや 、 、 、 、 、 、の一時代をちょっとくぐっただけで、成功の失敗のと、心を動かすのは笑止である。

諸君のやっていることはまだホンの「ゼミナール」に過ぎない。

成功者の静六さんから「世の中 上手くいかないことが多いもの」という言葉を聞いて、なんだか安心します。


4. 人を使うには・人に使われるには

▶︎仕事の上手な頼み方

人を使うのには、人の名前を、早く、正しく覚え込むことといったが、これはなんでもないことのようで、きわめて大切なことである。


▶︎人の意見をよく聴くこと
部下や社員が持ち込んでくる意見などは、つまらぬものと感じてしまうかも知れない。

しかしどんなに忙しくても、どんなにその内容が馬鹿馬鹿しくとも、毎度親身になって聴いてやる用意と忍耐が極めて大切

静六さん
静六さん

それが上長者のエチケットでもあり、義務でもある。

すなわち、部下の者が、何か用があり気にドアを押して来たり、自席に近づいてきたときなどは、できれば直ちに自分の仕事を中断し、二ー三歩の前からその顔を見、その足元を見守って、ニコやかにその要件を聴き取る体制を整えて、「さァなんなりとといった気持ちを目顔めがおで知らせるくらいにしなければならぬ。

先日後輩から質問されるも、忙しくておざなりな対応をしてしまいました。

今後は「さァなんなりと」の気持ちを持ちます..!


5. 平凡人の成功法

▶︎勉強の先回り

私の体験によれば前にもしばしば述べたように、人生の最大幸福は職業の道楽化にある。
富も、名誉も、美衣美食も職業道楽の愉快さには比すべくもない。

道楽化をいい換えて、芸術化、趣味化、娯楽化、遊戯化、スポーツ化、もしくは享楽化等々、それはなんと呼んでもよろしい。

すべての人が、おのおのその職業、その仕事に、全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめ 、 、 、が面白くてたまらぬというところまでくれば、それが立派な職業の道楽化である。
いわゆる 三昧境 さんまいきょうである。

静六さんの説く「職業の道楽化」、

私の目下の目標です..!



▶︎天才恐るるに足らず

「天才マイナス努力」には、「凡人プラス努力」のほうが必ず勝てる。

仕事に追われないで、仕事を追うこと。
つまり天才が一時間かかってやるところを、二時間やって追いつき、三時間やって追い越すことである。

今日の仕事を今日片付けるのはもちろん、明日の仕事を今日に、明後日の仕事を明日に、さらにすすんでは今日にも引きつけることである。


▶︎私の体験社会学ーーー最終結論

平凡人はいついかなる場合も本業第一たるべきこと。
一つのことに全力を集中して押し進むべきこと。

これが平凡人にして、非凡人にも負けず、天才にも負けず、それらに伍してよく成功にもまして、働くその人自身にも、またその周囲の人々にも人生の最大幸福をもたらすものである。

静六さん
静六さん

人生即努力、努力即幸福
これが私の体験社会学の最終結論である。


まとめ&感想

私が特に惹かれたのは「職業の道楽化」という言葉です。

正直今までは、

仕事は苦痛に耐えるもの。だからこそ対価として収入を得られる。

と思っていました。

なので「職業の道楽化」という言葉を知った時は、目から鱗でした。

私はあわよくば仕事を辞めてしまいたい…!と思ったこと数知れずです。
しかし本心は、辞めたいのではなく、もっと仕事を楽しみたいと思っています。

その気持ちを体現してくれたような言葉に出会うことができました。

人生即努力、努力即幸福

一つのことに全力を集中して取り組み、「職業の道楽化」を人生目下の目標にしたいと思います。


***

本書は元々70年以上も前に書かれています。
今では使われない表現もありますが、とても読みやい本でした。

そしてなにより静六さんは、ユーモアにあふれています。
所々でクスっと笑える書き方がされています。

人生にはユーモアが何よりも大切なのだな、とも再認識しました。

***


本書は別書「私の生活流儀」「人生計画の立て方」と三部同時復刊されています。
気になる方はこちらも併せて読んでみてください。

▶︎「私の生活流儀」の読書レビューを読んでみる


本記事がお役に立てば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


書籍紹介

タイトル:私の財産告白
著者: 本多静六(ほんだ せいろく)

価格:600円+税
ページ数:216ページ

発行: 株式会社実業之日本社
発行日:2013年5月25日

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