
幸せってなに?
どうしたら幸せになれるんだろう??
日常の中でそんなことを考えることはありませんか?
気になっていた 橘 玲 さんの 幸福の「資本」論。
やっと読むことができました。
本書では「金融資産」「人的資本」「社会資本」という3つの指標をつかい、「幸福」になるための現実的な戦略を知ることができます。
読んでみて特に印象的な言葉を抜粋・要約して、紹介していきます。

目次で気になったところから、読んでみてください!
本書の目次
プロローグ あなたが存在することがひとつの奇跡
PART0 「金持ち」と「貧乏」の三位一体幸福論
1 幸福の3つのインフラ
2 「最貧困」から人生を考える
3 人生の8つのパターン
PART1 自由のための金融資産
4 お金と幸福の関係
5 マイナス金利の世界
PART2 自己実現のための人的資本
6 人的資本は「富の源泉」
7 クリエイティブクラスとマックジョブ
8 サラリーマンという生き方
9 オンリーワンでナンバーワンの戦略
10 高齢化社会の唯一の戦略
PART3 幸福のための社会資本
11 友だちとはなんだろう?
12 個人と間人
13 うつは日本の風土病
14 フリーエージェント戦略
15 「ほんとうの自分」はどこにいる?
エピローグ それでも幸福になるのはむずかしい
あとがき
要約
気になったパートやチャプターを、抜粋・要約していきます。
PART0 「金持ち」と「貧乏」の三位一体幸福論
1. 幸福の3つのインフラ
本書では何度も「資本」や「資産」という言葉が出てきます。
最初にそれらの言葉の意味が説明されています。
「資本」と「資産」はコインの裏側
・資本:富を生み出す力(お金の調達からの視点)
・資産:富を生み出す方法(お金の使い方からの視点)
例:お金で本を買う場合…
=自分の財布から資金調達した1000円の「資本」を運用し、1000円以上の価値がある(はずの)本という「資産」を手にいれる ということ

「資本」= 事業をするのに必要な基金。もとで。
「資産」= 資金の使途
(何にお金を使ったのか) ですね!
3. 人生の8つのパターン
本書では、人生を8つのパターンに分けて解説されています。
それぞれ「金融資産」「人的資本」「社会資本」のどれが充実しているか、によって変わります。
- プア充実:社会資本が充実
- 貧困:3つとも非充実
- リア充:人的資本と社会資本が充実
- 超充:3つとも充実
- お金持ち(投資家/トレーダー):金融資産と人的資本が充実
- 旦那(成功者のリタイア後):金融資産と社会資産が充実
- 退職者:金融資産が充実
- ソロ充:人的資本が充実
「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つは、その量が多ければ多いほど良い、というわけではなく、人的資本と社会資本は、量よりも質が重要です。
また資本をひとつしか持っていないと、貧困や孤独に陥るリスクが高いといいます。
人生を「金融資産」「人的資本」「社会資本」という3つの資本=資産で把握すると
幸福というとらえがたいものにある程度カタチを与え、現実的な戦略を考えることができる。
これが本書の基本的なアイデア。

捉えにくいものを、
細かく分けて数値化する感じですね。
PART1 自由のための金融資産
4. お金と幸福の関係
税理士や会計士は、以下の様に言うそうです。

日本でほんとうにお金をもっているのは、成功した自営業者か中小企業のオーナー社長
筆者の橘さんが自分でマイクロ法人(自営業者の法人成り)を設立してみると、驚くべきことがわかります。
「同じ収入を得ても、サラリーマンとは手元に残るお金(可処分所得)がまったくちがう」
それもすべて完全に合法的な手法だけでできるといいます。
サラリーマンは、税金と社会保険料を問答無用で給料から天引きされている。
大卒サラリーマンの生涯年収は3億から4億円とされていますから、実質税負担率を3割とすると、一人のサラリーマンが一生のあいだに日本国に収める「税金」の総額は約1億円。
…しかし「個人」と「法人」の2つの人格を使い分ければ、この税負担を合法的に大きく軽減できる。
これが、成功した自営業者や中小企業のオーナー社長が急速に富を蓄えていく秘密だったのです。

「マイクロ法人」は私も興味があり、
試してみたいと密かに思っています。
お金が増えても幸福にはなれない?
お金を幸福度のアンケート調査によれば、金融資産が1億円を超えると幸福度が増えなくなる
橘さんは、お金と幸福に関する次の様なシンプルな法則が導き出せるといいます。
- 年収800万円(世帯年収1500万円)までは、収入が増えるほど幸福度は増す。
- 金融資産1億円までは、資産の額は増えるほど幸福度は増す。
- 収入と資産が一定額を超えると幸福度は変わらなくなる。
色々な進化論的・心理学的な理由から幸福になるのはとても難しいですが
もっとも確実に幸福度を上げる方法は、お金持ちになって「経済的自立」を実現すること 。
PART2 自己実現のための人的資本
6. 人的資本は「富の源泉」
かけがえのない自分になること
私たちは無意識に「働くこと」に2つの目標を設定している。
そしてこの異なる望みを同時にかなえるのが「理想の働き方」だといいます。
- 人的資本からより多くの富を手に入れる。
- 人的資本を使って自己実現する。
7. クリエイティブクラスとマックジョブ
新卒で入社した会社で定年まで勤め上げる、という日本的な「働き方のモデル」は完全に破綻してしまった。
新しい働き方を理解するキーワードは次の3つ。
- 知識社会化
- グローバル化
- リベラル化※
※リベラル:肌の色で社員を差別せず、ゲイやレズビアンを受け入れ、障がい者を雇用し、あらゆる社員を平等に扱う会社は「リベラル」と呼ばれる。
***
橘さんは、仕事を「マックジョブ」と「クリエイティブクラス」というものに大別します。
マックジョブ
・バックオフィス:マニュアル化された拡張不可能な仕事
クリエイティブクラス
・スペシャリスト:拡張不可能な仕事
・クリエイター:拡張可能な仕事
上記を図で表すと以下です。
※橘玲 公式BLOGより引用

- 月並みの国:拡張性のない仕事
- 果ての国:拡張性のある仕事
ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』より
9. オンリーワンでナンバーワンの戦略
スペシャリストになるには
私たちは長い進化の歴史のなかで、ライバルと自分を「差別化」するプログラムを精緻化させてきました。
そうでなければライバルを押しのけて異性を獲得し、子孫を残せないからだといいます。
そして
「好きなことに人的資本のすべてを投入する。」
ことが大切だといいます。
私たちが「得意なことが楽しい」とプログラミングされているのだとすれば、初期値のわずかな優位性の差から思春期までにははっきりとした「個性」が生じる。
…こうして「好きなことが得意なこと」になり、それ以外のことは「やってもできない」のです。
つまり自分にあったプロフェッションを獲得する戦略はたったひとつしかないといいます。
それは、
「仕事のなかで自分の好きなことを見つけ、そこにすべての時間とエネルギーを投入すること」です。
弱者の3つの戦略
『弱者の戦略』著者である生物学者の稲垣栄洋氏のことばが引用されています。
弱者の戦略
- 小さな土俵で勝負する。
- 複雑さを味方につける。
- 変化を好む。
特に3. 変化を好むについては、「変化の激しい環境ほど弱者にはチャンスがある」といいます。

これはまさに、VUCA(ブーカ※)
と呼ばれる今の時代に言えることだなと思いました。
※VUCA(ブーカ)
:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字を取った言葉。
フリーエージェントへの道
プロフェッションを持つ個人(プロフェッショナル)が組織に対して優位性を持つようになることが知識社会の必然であるならば、どうすれば「収益の最大化」と「自己実現」を両立できるのでしょうか。
ここで基本戦略がまとめられています。
- 好きなことに人的資本のすべてを投入する。
- 好きなことをマネタイズ(ビジネス化)できるニッチを見つける。
- 官僚化した組織との取引から収益を獲得する。
あなたがまだ20代だとして、35歳までにやらなければならないのは、試行錯誤によって自分のプロフェッション(好きなこと)を実現できるニッチを見つけることです。

好きなことに全力投球!!
…わたしはまだ出来てないです。。
PART3 幸福のための社会資本
11. 友だちとはなんだろう?
金融資産、人的資本とならぶ「人生のポートフォリオ」のもうひとつの柱が社会資本。
これは人間関係すなわち”つながり”のこと。
…数値化がきわめて困難です。
しかし社会資本には、とても大切な役割がある。
それは
「幸福」は社会資本からしか生まれない
ということ

私も家族や友人と「美味しいね」と言って食べている時が幸せです。
12. 個人と間人(かんじん)
「世界価値観調査※」の中に「自分の人生をどの程度自由に動かすことができるか」という項目があります。
2010年の調査でなんと日本人は、調査対象の57ヶ国中最下位だそうです。
(ちなみに1位はメキシコ。2位トリニダードトバコ、9位オーストラリア、12位アメリカ、18位台湾、32位中国、43位韓国)
※世界価値観調査:
アメリカの政治学者ロナルド・イングルハートなどが中心となり1980年代から5年ごとに実施。「もっとも信頼度が高い国際比較調査」と言われている。
日本の社会は、ムラ的な間人主義※に最適化され、そこから「やりがい」を生み出すようになっています。
会社に滅私奉公することを「幸福」と感じるサラリーマンの感覚はその典型。
しかしリベラル化する世界でこうした「間人の幸福」は古臭いものになり、自己決定権を持つ「個人の幸福」へと価値観は変わった。
それにもかかわらず、日本の社会は複雑なコンテキストで覆われた下手な政治空間のままで、「自由」な人生を生きることはできず、旧態依然とした「間人の幸福=伽藍のなかでのやりがい」を強要されている。
これが、サラリーマンが会社を増悪する理由であり、現代日本の「閉塞感」の正体なのでしょう。
※間人主義:
東洋人は「間人的」で、西洋人は「個人的」といえる。
西洋人が「個人」や「論理」を重視し、東洋人が「集団」や「人間関係」を気にするのは世界観の違いから。
西洋人の認知構造が世界をもの=〈個〉へと分類していくのに対し
東洋人は世界をさまざまな出来事の〈関係〉として把握する、というもの。
14. フリーエージェント戦略
「幸福な人生」の最適ポートフォリオ

人生100年時代を考えるならば、年齢にかかわらず弱いつながりを維持しつつ、フリーエージェントとしてプロジェクト型の仕事をする「生涯現役戦略」の方がはるかに効果的なことは明らか。
つまり「幸福な人生」の最適ポートフォリオは上図のようになるはず。
いまの日本で生まれたという”奇跡”と”幸運”を生かすなら、あなたにも実現可能なことはいうまでもありません、と橘さん。

橘さんの力強い言葉に励まされます。
エピローグ それでも幸福になるのはむずかしい
幸福な人生への最適戦略とは、次の3つに要約できるといいます。
- 金融資産
「経済的独立」を実現すれば、金銭的な不安から解放され、自由な人生を手にすることができる。 - 人的資本
子どもの頃のキャラを天職とすることで、「ほんとうの自分」として自己実現できる。 - 社会資本
政治空間から貨幣空間※ に移ることで人間関係を選択できるようになる。
※政治空間:愛情空間や友情空間
※貨幣空間:他人によって構成され、貨幣でつながる世界
3つの資本=資産を一体としてとらえる「幸福の統一理論」を、次のようにまとめることもできる
- 金融資産は分散投資する
- 人的資本は好きなことに集中投資する
- 社会資本は小さな愛情と大きな貨幣空間に分散する
幸福と逆境の不都合な関係
逆境はない方がいいと思われがちです。
しかし実は、過去に逆境を経験した数がゼロのひとたちは、逆境を経験した数が平均だったひとたちに比べて、人生に対する満足度がはるかに低いといいます。
人生をゲームにたとえるのなら、なんの障害もなくただ前に進んでいくだけでは面白くもなんともありません。
困難な局面は、それを乗り越えた現在から振り返ればポジティブな体験へと変換されるのです。
この現象を理解するポイントは、「逆境はすでに過去のものになっている」ということ。
「逆境は人生の満足度を高める」というのは一種のトートロジー※なのです。
…幸福な人生を目指して頑張っているときが、もっとも「幸福」なのかもしれません。
※トートロジー:同義語反復。同じ語を反復すること

「幸福な人生を目指して頑張っているときが、もっとも「幸福」なのかも」
ここにすごく共感しました。
部活や仕事でがんばっているとき。
早く終わってほしいと思うこともあるけど、振り返るとすごく楽しい時間だったと気づきます。
まとめ&感想
本書では「幸福」を「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つの資産=資本 でとらえることによって
どのような戦略をとれば幸福になれるのか、ということを教えてくれます。
特に印象的なのは、
自分にあったプロフェッションを獲得するためには、
「仕事のなかで自分の好きなことを見つけ、そこにすべての時間とエネルギーを投入すること」
という言葉です。
私は小さい頃から「自分の天職ってなんだろう?」と思っていました。
まずは改めて、自分が小さい頃から好きだったこと、興味があったことを振り返ってみようと思います。
***
本記事がお役に立てば嬉しいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
書籍紹介
タイトル:幸福の「資本」論
あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
著者:橘玲(たちばな あきら)
価格:1,500円+税
ページ数:280ページ
発行:ダイヤモンド社
発行日:2017年6月14日