忙しい毎日の繰り返し…
そんな日々から抜け出したい…
なんて思うことはありませんか?
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私は朝ぎりぎりに起きて、バタバタと出社。
丸一日働き疲れて帰宅したらもう寝る時間…。
「こんな毎日はもうイヤ…!!」と悩んでいた時に出会ったのが
書道家・武田双雲さん著書の「丁寧道」です。
本書の内容は目からウロコ…
日々の忙しさから離れて、「今、ここ」に集中する方法を知ることが出来ます。
読んでみた感想や、印象的だったところを抜粋して、ご紹介していきます。
目次で気になったところから、読んでみてください!
ちなみに…双雲さんとのもともとの出会いは、私が社会人になりたての時(約10年前)。
双雲さんはご自身がADHDだとおっしゃっています。
私もADHDの要因で悩んでいた時に、双雲さんのことを知りました。
本書の目次
Chapter 0 とにかく「丁寧道」をやってみよう
Chapter 1 「丁寧道」をやるとなんでいいの?
Chapter 2 「丁寧道」がうまくいくためのポイント
Chapter 3 「義務感」に気づいて、手放そう
Chapter 4 「認知」を変えれば、一生が変わる
要約
印象的な言葉をピックアップしていきます。
本書を読み始めてまず、
この本めちゃめちゃ良いな!
という印象をもちました。「丁寧道」のメソッドをはじめの段階で教えてくれるからです。
この本の 一番おいしいところを まずお伝えします(笑)
焦らすことなく、冒頭でさっそく紹介してくれています。
双雲流「丁寧道」のやり方
何かをやる時に、集中してその対象を五感で感じる。楽しそうに全神経を駆使して味わう。
*例えばシャンプーの時に、ポンプを押した時に出る「しゅこ〜」という音、容器のデザインを楽しむ。シャワーが顔や頭に当たっている感覚を感じ取る。
(これを「シャンプー理論」とされています。)
シャンプーの他にも、歯磨き、昼食の立ち食いそば、料理など、どんなものでもOK。
なによりも「楽しそうに」やるのがポイントだそうです。
「丁寧道」においてやることは、五感でテイスティングするだけ
この「丁寧道」実はやっていることは、茶道を大成した、かの千利休と同じ。
ちょうど別で読んでいた茶道の本にも千利休の話が。生活の点と点がつながった感じがしました。
実践:「丁寧道」
①ふと気づいたら、その瞬間に丁寧に行なってみる
②五感をフルに使って、丁寧に意識を向ける
*「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」をフル稼働させて、“楽しそう” に感じ尽くす。
③静かなるワクワクを楽しんでみる
*高揚感が沸いてハイになるのが目的ではなく、静かな感動に浸ってみる。
「丁寧道」の説明として、五感で感じ、今に集中する。とあります。
なんだか瞑想とかマインドフルネスに似ているような…
と思っていたら、やはり「丁寧道」はマインドフルネスですよ、と書かれていました。
▶︎「丁寧道」はマインドフルネス&マインドセット
「丁寧道」を実践している時は、とてもリラックスしながら雑念のないゾーン状態になっている
▶︎「丁寧」=遅い、ではない
「丁寧」の逆は「雑」。違いは「丁寧にするか、雑にするか」であって、「速いか、遅いか」ではない。
「丁寧」とは「注意深く心がゆきとどくこと。また、てあつく礼儀正しいこと」(広辞苑)
私もまさに、丁寧とはゆっくり行うこと、と思っていました。
でも本書で野球のイチロー選手のスイングについてふれられているように、めちゃめちゃ速い「丁寧」もある、ということが納得できました。
毎日の中で丁寧を感じやすくする 二つのコツ
一つ目は、「演じてしまうこと」
二つ目のテクニックは「写真を撮る」こと。
私は一つ目の「演じてしまうこと」が、特に気に入りました。
「たとえば着替えるときだけは、自分の部屋ではなくお芝居の舞台上に立っているつもりで「丁寧に着替える人」を演じてみる」
そして「俳優さんが、指の先まで感覚を研ぎ澄ませて着替える感覚」として、吉永小百合さんが着物に着替えて髪をきゅっと結ぶシーンを例に出しています。
なるほど…
私もちゃちゃっとメイクしたり、猫背でパソコンをカタカタするのをやめて
1日に一回はガッキーや綾瀬はるかさんのように、背筋を伸ばして演じるように過ごしてみよう、と誓いました。
▶︎やる気は「出す」ものではない
「やる気を「出す」と思っているうちは、本当はやりたくないことを、渋々、嫌々、やっているという面が強い」
実践:「義務感」にやられないためのテクニック
①リスト化で自分の中にある「義務感」を洗い出す
②手放せる「義務感」をピックアップする
③「義務感」だと思ったら、一度やめる
③の「義務感」だと思ったら、一度やめる は斬新だなと思いました。
私は在宅勤務の日は特に「やらねば」「やる気出さねば…」と格闘しまくりの毎日です。
それを「義務感」だと感じたら一度やめてしまう…。
(やめたっきり戻って来られなさそうですが(笑))
在宅勤務の時に、一度試してみようと思いました。
「忙しい」は幻?!
「忙しい」という認識そのものは自分がつくり出している幻
要は「忙しい」というのは現実そのものではなく、タスクが目の前にあると言う現実を個人がどう捉えたかの心象風景にすぎない
「認知」を味方につける方法
①自分が信じている世界を疑ってみる
②気持ちが不安定なときほど、「丁寧道」を取り入れる
③自分を「無」「空」の存在だと「認知」してみる
特に気になったのは③の「無」「空」という言葉。
双雲さんは、すべては水のように「在って無いようなもの」=「無」や「空」であり、すべては物理学でいうところの原子=エネルギーの存在なのだと、解釈されています。
「道」の創始者の老子の思想というものは、作為なく自然、ナチュラルかつニュートラルなもの…
つまり、みなさんが「自分自身」だと思っているものも、周りとの対比から意味付けしたものにすぎず、本来は無色透明だったはずなのです。
ですから、いろいろなしがらみで疲れたときはそのことを思い出してみてください。
自分だと思い込んでいるもの、やらなきゃと思い込んでいるものは、本物なのかどうかーー。
実践!丁寧道やってみたら
本書に書いてある通りに、「今、この時」を味わってみました。
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いつもはYoutubeで音楽を聞きながら、効率重視で料理をしています。
でも今回は玉ねぎを切っている時に、トントンという包丁の音や、切った感触を味わってみる。
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また自分の髪を乾かす時は「早く乾け〜〜」と思いながらドライヤーをかけています。
でも今回は髪の感触を感じながら、濡れた髪が少しずつ乾いていくのを指で感じてみる。
(ドライヤー理論 (乾かしている今、この時を味わう) )
すると今まで面倒に感じていたことが少しだけ、今この時、大切な一時だと感じられるようになりました。
姪っ子(5歳)の髪を乾かした時は、指から逃げていくほどサラッサラの髪を味わって、最高でした(笑)
まとめ&感想
読み終わった直後は正直、「うん、そこそこいい本だったな。」という感想でした(失礼)。
でも読むだけでなく、自分でも実践して体感してみて、この本のすごさが分かります。
「忙しい」という認識そのものは自分がつくり出している幻
「タスクが目の前にあると言う現実を個人がどう捉えたかの心象風景にすぎない」
という言葉にもハッとしました。
今までと同じことをしていても、この「丁寧道」を実践すれば、生活にゆとりができる気がします。
現代人は目まぐるしい毎日を過ごしています。
一度騙されたと思って、この「丁寧道」を試してみては如何でしょうか。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
本記事がお役に立てば、幸いです。
「丁寧道」にもつながる、武田理「教養としての茶道」もおすすめです。
▶︎読書レビューはこちら
書籍紹介
著者: 武田双雲(たけだ・そううん)
1975年熊本県生まれ。東京理科大学卒業後、NTTに就職。約3年後に書道家として独立。
音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など独自の創作活動で注目を集め、映画「春の雪」、「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」など数多くの題字、ロゴを手がける。著書は「ポジティブの教科書」ほか多数。
価格:1,400円+税
ページ数:167ページ
発行:祥伝社
発行日:令和3年12月10日