「その本は」のあらすじをお探しですか?
本屋でもランキング上位に上がっており、図書館でも予約待ち100人超え。
「これはぜひ読みたい!」と思い、私も図書館の予約待ちに並びました。
(図書館派です。本屋さんすみません。)
順番がくるまで1年は覚悟してましたが、あれよあれよと言う間に順番が回ってきました。
(市内図書館に20冊も保有されているようです。それだけ人気ということですね。)
本書の中の本は全て「その本は」から始まります。
そして本書のテーマの1つが「本を読まない人にも読んでもらえる本」なんだそう。
実際に短い内容の本が多く、全体を通しても1時間ほどで読み切れるので、本が少し苦手な人でも気軽に読めると思います。
「その本は」笑いあり、涙あり。
人生のような本でした。
※前半はネタバレなし、後半はネタバレを含みます。
目次で気になるところから読んでみてください!
読みはじめると
何も前情報無しで読み始めようとすると、まず表紙に二人の名前が。
あれ、著者二人??
まずそこで驚きました。
又吉直樹さんと、共同著者のヨシタケシンスケさん。
失礼ながら今までヨシタケさんを存じ上げなかったですが、絵本作家さんだそう。
文中の挿絵が柔らかくて和みます。
***
本書では年寄りで目がほとんど見えない王様が、二人の男に毎晩交代で世界中の『めずらしい本』について語らせます。
二人が語る本は、1ページで終わる短い本から、長めの本(といっても短編集ほど)など様々。
「あ、そういう展開なのね」と、本の構成も予想外でした。
良い意味で期待を裏切られた本です。
要約・前半(ネタバレ無し)
各本に出てくる印象的な言葉を要約・抜粋していきます。
その本は、「わかいころはモテた」がくちぐせです。
*第5夜
なんだかやたら人間くさい本だなと。
いるいる、こういうおじさん。
と、クスッと笑ってしまいました。
その本は、誰も死なない。
彼女と一緒に見た流星群を30年ぶりに日本で見ることができる。
…この本が街の本屋さんに並ぶころには僕は旅に出ているだろう。
*第7夜
なんだか血生臭い感じ??
と少し怯むも、そんな内容ではありませんでした。
小学5年生の竹内春と岬真一の交換日記の話。
一番印象的な本でした。
「その本は」の中で最も内容量が多く、文字も小さいです。
(といっても短編集くらいの長さなのですぐに読めます)
後半に行くにつれて、
結末はどうなるんだろう?!
と、少し手に汗を握りながら、一気に読みました。
終わり方に謎があり、いつまでの私の頭を悩ませます。
要約・後半(ネタバレあり)
以後はネタバレ有りを含みます!
その本は、ボロボロである。
ほかの本はピカピカで、その本だけがボロボロだった。
だけど、その本はとても幸せだった。
*第5夜
詳細は実際に読んでもらいたいですが、心がホッと温まる本です。
その本は、まっしろである。
父のトランペットが 母の笑い声も風の音も 結婚式場のざわめきさえも消した。
…映像の父が はなしはじめる。
「お父さんはいつでも、あいこと同じ風景を見ています。結婚おめでとう」
*第9夜
読んでいて思わず泣きそうに。。
ただスタバで読んでいたので泣くわけにもいかず、ぐっと堪えて、読み終えました。
***
この本を読んだ時に
以前読んだ 関本剛さんの「がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方」を思い出し、
そして関本さんのお別れの挨拶のビデオが頭をよぎりました。
永遠なんて存在しないと分かっていても、やはり大好きだった人に永遠に会えなくなるのは辛い。
私も 祖父母のことを思い出して しんみりしました。
まとめ
又吉さんとヨシタケさんの作品を初めて読みました。
クスッと笑える内容から、ゾゾッとしたり、しんみりする本まで、内容は多種多様。
これって人の人生にも言えるし、本って人の人生を代弁してくれるなと改めて実感しました。
「その本は」のラスト。
あっなるほどね。と、最後のオチも中々に面白い。
スタバで気軽に読み始めましたが、どんどん引き込まれて、1時間ほどで一気に読んでしまいました。
図書館で未だに予約待ち100人超えの本書。
本好きな人はもちろん、少し読書に対して苦手意識がある人にも、ぜひ手にとってもらいたい本です。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
そして
いろいろ本を読みたいけど、忙しくて時間がない…
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書籍紹介
著者
:又吉直樹
1980年大阪府寝屋川市生まれ。吉本興業所属のお笑いコンビ「ピース」として活動中。
2015年に本格的な小説デビュー作『火花』で第153回芥川賞受賞。著書に初の恋愛小説『劇場』など。
:ヨシタケシンスケ
1973年神奈川県生まれ。筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了。
2013年『りんごかもしれない』でデビュー。絵本作家、エッセイなど多数。
MOE絵本屋さん大賞など受賞。
価格:1500円(税抜)
ページ数:194ページ
発行:株式会社ポプラ社
発行日:2022年7月14日